ESOPONO FABVLAS.
471.
Xuroto, taqeno coto. 11
Arutoqi xuro taqeni muco<te yu<taua: icani taqe, yo>
qiqe, varefodo yoni youo<te mimonai monoua aru-
majij: vazzucano cajenimo vosore vononoite, nabi
qu bacari gia: vareua sucoximo cocorozaxiuo ta- 15
uomezu, fudan qenagueni xite yruto iyeba, taqeua
cono cotouo qiqedomo [macoto nareba] tocacu ron
zuruni voyobaide, feico> xite caxicomattaga, yagate
sonofi vo>qina tcujicajega fuite meido>xite qitaga,
taqeua motocara vosoreuo naite co<beuo chini sague 20
fericudattareba, tcutcugano< voqiagatta: xicaruni
xuroua qenjitno rico>no gotoqu cocorozaxiuo cuda-
sazu, figiuo fatte ytauo nanicaua corayo>; sanzanni
fuqivotte, negoreni natte fateta.
472.
Xitagocoro.
Tacaburu monoua gaixerare, xitago< monoua c(a)-
yette tauo xeisuruzo.
エソポのハブラス2.03 (471.11--478.03)
棕櫚と、竹のこと。
ある時 棕櫚 竹に向こうて言うたは、「如何に竹、よう聞け、われほど世に弱うて身もない者はあるまじい、僅かの風にも恐れ慄いて、靡くばかりぢゃ、我は少しも志をたおめず、不断けなげにしている」と言えば、竹はこのことを聞けども[真なれば]とかく論ずるに及ばいで、閉口してかしこまったが、やがてその日
大きな旋風(つじかぜ)が吹いて鳴動してきたが、竹はもとから恐れをないて頭(こうべ)を地に下げ謙(へりくだ)ったれば、恙無う起き上がった、しかるに棕櫚は兼日の利口(りこう)の如く志を下さず、肘を張っていたを何かは堪よう、散々に吹き折って、根ごれになって果てた。/
下心。
高ぶる者は害せられ、従う者はかえって他を制するぞ。
コンテンプツスムンデ 2.07 万事に超えてゼスキリシトを思ひ奉る大切の事
切支丹宗教文学 姉崎正治 編著 同文館蔵版
ゼスキリシトより外の者に頼みをかけ、したるほどの事は皆無益になしたる事弁ゆべし。風に靡く実もなき竹にすがり頼むこと勿れ、その故は、諸の骨肉は芝草なり、その栄花も野辺の花の如く散るべき也。
姉崎の注に、竹は、「Calamus 葦」とある。
・類話などについて
「やあ、細っちょい奴」木が根元に生えている葦に向かって言った。「お前はどうして俺のように、大地にしっかりと根をはらずにいるのだ。それに、どうして風に向かって堂々と顔を上げていることもしないのだ?」
「それが分相応というものです」葦が答えた。「私は別に偉くなくてもよいのです。まあ、それが身の為だと思いますしね」
「身の為だと!」木があざ笑って言った。「この俺を根元から引き抜いたり、この頭を地面にうな垂れさせたりできる者がいるとでも言うのか?」
しかしこの大口をすぐに後悔することになる。俄かにハリケーンが巻き起こり、木を根元から引き裂くと、地面に投げ付けたのだ。一方暴風に身を屈めていた小さな葦は、嵐が通り過ぎると、すぐに再び身を起こした。
無名であるからこそ安全だ。ということはよくある。
Perry70 Chambry143 Caxton4.20 La Fontaine1.22 Krylov1.2 TMI.J832 Type298C*
(Aesop)
タウンゼント 127.カシの木とアシたち
とても大きなカシの木が、風になぎ倒され川に投じられると、アシの生えているところへと流されて行った。
カシは、アシにこんなことを言った。
「お前たちは、そんなに細くて弱いくせに、どうして、あんなに強い風を受けても平気でいられるのだ?」
すると、アシたちがこんな風に応えた。
「あなたは、風と戦おうとしたのですから、身を滅ぼすのも当然です。私たちは、ほんのそよ風にも頭を垂れます。だから、無事でいられるのです。」
負けるが勝ちよ
Babrius36 Avianus16 Charles58
枕草子 123 かたなしなもの
潮の引いた干潟に乗り上げた大船。大きな木が、風に吹き倒されて、根を空に向けて横倒れになったの。身分も低いくだらぬ者が、自分の家来を叱っているの。
パンチャタントラ1.122
暴風は到る処で低く靡く柔らかい草を根こそぎにはしない、
強者が強者のみに勇を振うのは、高慢な心をもつものの本性である。
カリーラとディムナP184
どんなものでもその怒りと力に抵抗できないほどの敵にたいしては、降服しなければならないということを、最もよく象徴しているものがあります。草をご覧ください。柔らかく、風のまにまにどこへでも靡くので、烈風にも決して痛められることがありません。しかし嵐に向かって立っている大木は、倒されるではありませんか。炎を狙う蚊はうっかりして注意を忘れているうちに、炎に焼かれるではありませんか。
Hito2.78 四方にひれ伏す柔かき/草を嵐は引き抜かず。/高く聳ゆる樹木こそ/嵐のために痛めらる。/強者はただ強者に、/武勇を振うものと知れ、
パンチャタントラ
3.19
より強い敵に攻められたなら、葦の動きをみならうがよい。幸運の不滅なことを望むなら、決して蛇の行為をまねてはならぬ。
3.20
葦のようにふるまうものは、やがて大なる幸運をつかむ。蛇の行為に倣うものは、ただ死を得るだけだ。
3.58
竹が竹叢に囲まれ群なして生えていれば引き抜かれぬように、弱小の王も群なせば滅ぼされぬものだ。
3.59
樹々が密集しあらゆる点で堅固ならば、暴風によっても倒されない。お互いに依存しあうから。
3.60
強固な巨木も一本だけで立っていれば、風はそれを力づくで倒すことが出来よう。
3.126
弱者が繁栄を望むなら、決して強大なものに逆らってはならぬ。たとえ心の内でも・・・・・・。葦のようにふるまうものは殺されぬ。蛾のようにふるまうものは必ず滅びる。
Ernest Griset p237 樫と柳
ある日のこと、自惚れ屋の柳が力の強い樫の木と力比べをしようと虚勢を張った。次の嵐で雌雄を決しようと、両者は風の神であるアイオロスに最大の力を奮ってくれるようにとお願いした。この願いはすぐに聞き届けられ、激しいハリケーンが巻き起こった。しなやかな柳の木は、突風に対して身を屈めて縮こまったので、全ての力をやり過ごすことができた。一方、力の強い樫の木は、譲歩することを潔しとせずに、荒れ狂う風に負けまいと抵抗したために、根元からなぎ倒された。これを見て柳は喜々として、勝利を宣言した。すると、倒れた樫の木がそれを遮った。
「はしゃいでいるお前、これが力比べなのか? 哀れな奴め! お前は力で勝ったのではない。弱さ故に勝ったのだ。お前は危険に挑もうとはせずに、卑劣にもそこから逃げたのだ。お前が今安泰なのはそのためだ。私は倒されたが、樫の木であることには代わりはない。そしてお前は、倒されはしなかったが、柳の木であることには代わりがないのだ。崇高な戦に於いて栄光ある死を賜るよりも、卑劣にも臆病な小手先の策を弄して助かろうとするような奴など、お前の他に誰がいる」
|