ESOPONO FABVLAS.
484.
Nusubitoto, inuno coto. 19
Aru nusubito fucujinno iyeni xinobi iro<zuruto
vomoyedomo, banno tameni inuuo amata co<te vo(i)-
tareba, foyetaterarete yeirananda: soreniyotte nusu-
bitono facaricotoni, mazzu tabitabi Pan vomotte
qite inuni cuuaxete, sonomiuo mixirareo>to xita. Sa 24
485.
te inudomo yo<yacu mixittato vomo> toqi, fisocani 01
xinobiiro<to sureba, tcune yorimo inudomoga nauo
foyemauaru tocorode, nusubito inuni yu<ua: sate-
mo vonoreua vaga vonuo xiranu monocana! miga
vonoreni tcuneni fubinuo cuuayetaua conotoqi mixi 05
rareo> tame giato: inuga mata nusubitoni cotayete
yu<ua: sochiga tamatama fitocuchino Panuo cure, ta-
nenno xujinno quabunno zaifo>uo torigotoua cuxe
goto gia: isoide socouo tachisareto yu<ta.
Xitagocoro. 10
Xujinni cocorozaxiuo fuco< suru monoua sucoxi
no riniyotte, vouoquno vonuo vasurenu mono gia.
Saredomo futagocorono aru monoua sucoxino riuo
mottemo amatano vonuo vasururu. 14
エソポのハブラス2.20 (484.19--485.14)
盗人(ぬすびと)と、イヌのこと。
ある盗人 福人(ふくじん)の家に忍び入(い)ろうずると思えども、番のためにイヌをあまた飼うておいたれば、吠え立てられてえ入(い)らなんだ、それによって盗人の謀(はかりこと)に、まづ度々パンを持って来てイヌに食わせて、その身を見知らりょうとした。さ/てイヌども漸く見知ったと思う時、密かに忍び入(い)ろうとすれば、常よりもイヌどもがなお吠え回るところで、盗人イヌに言うは、「さてもおのれは我が恩を知らぬ者かな!
身がおのれに常に不憫を加えたはこの時見知らりょうためぢゃ」と、イヌがまた盗人に答えて言うは、「そちがたまたま一口のパンをくれ、多年の主人の過分の財宝を取りごとは曲事(くせごと)ぢゃ、急いでそこを立ち去れ」と言うた。
下心。
主人に志しを深うする者は少しの利によって、多くの恩を忘れぬものぢゃ。されども二心(ふたごころ)のある者は少しの利をもってもあまたの恩を忘るる。
・類話などについて
タウンゼント 197.泥棒と番犬
夜、泥棒が、ある家に忍び込んだ。泥棒は、番犬に吠え立てられたりしないようにと、肉を持参して投げ与えた。
すると、イヌはこう言った。
「こんなことで、私の口を封じられると思うのなら、それは大間違いですよ。この親切には何か裏があるのでしょう? あなたが得ようとする利益は、私の主人の不利益に繋がるのではないのですか?」
<Perry403> Phaedrus1.23 Caxton2.3 TMI.K2062 (Ph)
ペリー403 猟師と犬 中務哲郎 訳 岩波文庫
猟師が目の前を過(よぎ)る犬を見て、次から次へと食物を投げ与えた。それに対して犬が言うには、
「あっちへ行け、そんな好意を見せられると、かえって恐ろしくてならぬ」
贈り物攻勢をかける人は明らかに真の狙いを隠している、ということをこの話は説き明かしている。
(Syntipas)
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