ESOPONO FABVLAS.485. エソポのハブラス2.21 (485.15--486.07)老いたイヌのこと。 ある人 逸物(いちもつ)のイヌを飼うたが、時としてイノシシ、カノシシにも追いつかず、或いは度々食い止めなんだによって、鞭(ぶち)を当つれば、イヌがかしこまって申したは、「我が年盛(としざかり)の時は、カノシシ、イノシシをも遣らず、過ごさず、生きとし生けるものを食い留めて忠節を尽くいたれども、今は既に齢(よわい)も傾いて、歯も抜け、力も落ちて、ただ世の常のイヌにも劣った。さても人間は我が依怙(えこ)ばかりを本にして、/前(さき)の忠節をばうち忘れて、当座の奉公ばかりを本とすることの嘆かしさよ」と言うて、涙を流し
[道理を糺(ただ)いてみるに於いては] 「老いてこそなお丁寧をば尽くさりょうずることなれ」と言うた。 ・類話などについて タウンゼント 120.年老いた猟犬若い時分には、森のどんな動物にも決して遅れをとらなかった猟犬が、年老いてから狩りに引っ張り出された。彼はイノシシと出くわすと、ガブリと耳に噛みついた。しかし、歯が弱っていたので、獲物を逃してしまった。彼の主人が後からやって来て、事の顛末を知ると、落胆して大層彼を叱った。 するとイヌは、主人を見上げてこう言った。 「ご主人様、私は、これまでと同じように一生懸命やったのです。しかし、寄る年波に抗う術はありません。ですから、今の私を叱るよりも、かつての私を褒めるべきなのです」 Perry532 Phadrus5.10 Caxton2.7 Charles50 TMI.W154.4 (Ph) |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||