ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

487.
        Qitcuneto, itachino coto.                                  12

  Aru qitcune icanimo yaxete fitono curano icani-
mo xebai anacara itte, comuguiuo vomo>mamani
curo<tecara, ideo>to suredomo, fara yori xitaua yedei-  15
de curuximu tocorouo, itachiga mite yqenuo cuua-
yete yu<ua: motono anauo deo>to vomouaxerareba,
motono yo<ni yaxesaxerareito.

        Xitagocoro.

  Amatano fito finna toqiua, anracu naredomo, fucqi        20
ni nareba, cutcu< fippacuni voyobu cotoga vouoi.


エソポのハブラス2.24 (487.12--487.21)

キツネと、イタチのこと。

 あるキツネいかにも痩せて人の倉のいかにも狭(せば)い穴から入(い)って、小麦を思うままに食ろうてから、出(い)でおうとすれども、腹より下は え出(で)いで苦しむところを、イタチが見て異見を加えて言うは、「元の穴を出おうと思わせられば、元のように痩せさせられい」と。

     下心。

 あまたの人 貧(ひん)な時は、安楽なれども、福貴(ふっき)になれば、苦痛逼迫に及ぶことが多い。



・類話などについて

L'Estrange 55 狐と鼬

 腹が減って痩せ細った狐が、体をよじって鳥屋に入り込んだ。そして、たらふく腹に詰め込むと、再び外に出ようと懸命に腹をちぢこめようとした。しかし、穴が小さすぎて出られなくなっていた。この一部始終を離れたところから見ていたイタチがこう言った。
「なあ、レナード。君はそこに入ったと時、腹が空っぽだった。だから、外には出るには、また腹が空っぽにならなければだめだよ」

教訓: 人の考えや行動を適切に律するのは節制であり、人の肉体と精神を鈍らせるのは貪欲である。

タウンゼント 134.腹の膨れたキツネ

 腹ぺこキツネは、ヒツジ飼が、カシの木のうろに忘れていった、パンと肉を見つけると、その穴に這い入って、たらふく食べた。しかし、すっかり食べてしまうと、腹がぱんぱんに膨れて、そこから抜け出せなくなっていた。
 キツネがこの不運を嘆き悲しんでいると、その声を聞きつけて、仲間のキツネがやってきた。そして、事の次第を知ってこう言った。
「まあ、そう嘆きなさんな。入った時と同じ姿になれば、簡単に出られるさ」

Perry24 Chambry30 Babrius86  La Fontaine3.17 TMI.K1022.1 Type 41*   (Aesop)


UNCLE REMUS 28
ウサギがメドウズさんのお呼ばれに行った帰り道、クマと出会う。ウサギはクマに、ハチミツの巣のある古い木があることを教える。クマが木に登り、洞に頭を突っ込むと、ウサギは下のハチの巣を棒で叩く。ハチがクマの顔を刺し、クマの顔が脹れて、洞から抜けなくなる。もし頭のはれがひかなければ、今でもそのままだろう。

今昔物語 5.31 天竺の牧牛の人、穴に入りて出でず、石と成る語

 天竺で、仏がまだこの世に出現される前の事、一人の牛飼いがいて、数百頭の牛を放牧するのに林の中までやって来ると、いつも一頭の牛が群れを離れてどこかへ行ってしまう。日暮れになって帰ろうとすると、牛は戻って来るが、他の牛とは格段に美しい姿をしている。また鳴き声も普段とは違っていた。
 このようにして数日が過ぎた。牛飼いは牛の行く先を見届けようと思い様子をうかがっていた。すると、山のはずれに一つの岩穴があったが、この牛がその穴に入って行った。男も牛のあとについて入った。四、五里ほど進んで行くと、広々とした野原があった。それは天竺とも思われぬほど美しい花が咲き乱れ、さまざまな果物が豊かに実っていた。牛は一ヶ所に立ち止まって草を食べている。果物の実は、赤みがかって黄色で、黄金のようである。その果物を一つ取り、かぶりつきたいと思ったが、なにやら恐ろしい気がして思いとどまった。

 そのうち、牛は引き返してもとの岩穴から出て行った。男もまた牛のあとについて出て行こうとした。すると、ひとりの悪鬼が現われて、男が手に持っていた果物を奪い取ろうとした。男は慌ててその果物を口に放り込んだ。すると鬼は男の咽喉を探って取り出そうとする。男はとっさに飲み込んだ。果物が腹の中に入った途端、男の体は太りに太り、穴から出ようとしても、頭だけ外に出たが、体が穴いっぱいにつまって出ることができない。
 家の者がこのことを聞きつけて来て、大勢の人を呼んで来て、引っ張り出そうとするが、びくともしない。国王もこれを聞いて、人をやって掘り出させようとしたが、それでもびくともしない。こうして数日たつうち、男は死んでしまった。やがて年月が経ち男は石と化したが、人の形をして残っていた。

 その後、国王は、このようになったのは仙薬を飲んだからだと思い、大臣に、「あの男は薬により変身したのである。石とはいえ、その体は神霊である。人をやって少々削って来い」と命じた。大臣は、石工を連れてそこに行き、力の限り削り取ろうとしたが、十日たっても一片すら削れなかった。その石人は今もまだそこにあるということだ。

龍の起源p67 荒川 紘  紀伊国屋書店

 インド・ヨーロッパ語族の仲間であるヒッタイトの龍の神話にも同様な歴史が読みとれよう。ゼウスに相当するヒッタイトの天候の神も、最初は龍のイルヤンカスに打ち負かされるが、最後には退治する。退治のしかたについては、ふたつの神話が伝わっており、そのひとつによれば、女神イナラスの計略で、イルヤンカスを大量の酒と肴で歓待、体がふくれて、入ってきた穴から戻れなくなったところで龍を仕留める。

日本昔話大成 資料編 動物新話型 2 亀と狐 関啓吾 角川書店

1、亀と狐が牡丹餅(ぼたもち)を盗んで食べる。2、少し食べると狐は障子の間を出入りする。3、人間に見つかる。狐は逃げるが、亀は食べすぎて障子の間にひっかかって殺される。


注:  亀の腹が膨れて逃げられなくなる。というのは、いかにも不自然である。
本編では、この話は、「大亀(おおがめ)と狐の話」となっているので、音の似た、狼(オオカメ)との混乱があったのかもしれない。

・腹がふくれて出られない話
狐ラインケ1.17
日本昔話通観インデックス 584 狐と狼
ディズニー、クマのプーさん
グリム KHM 73 狼と狐
グリム KHM 37  おやゆびこぞう
フランス民話集 38 狼と狐  岩波文庫

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