ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

489.
        Yaguiu<no co to, vo>cameno coto.            03

  Yaguiu<no faua cusauo curaini noni izzuru toqi, co
domoni iyvoqu yo<ua: cono anano touo vchiyori yo>   05
togite iyo: nanito focayori yobi tataquto yu<tomo, va
ga coyeto, mata conoyo<ni tatacazuua, socotni firaqu
nato yu<te deta. Vo>came fauano noni deta suqiuo
nero<te qite, fauano coyeuo nixete, sono touo tata(i)ta.
Yaguiu<no codomo vchicara qijte, coyeua fauano co-    10
yenaredomo, tono tataqiyo<ua vo>came zoto yu<te
chittomo aqenanda.

        Xitagocoro.

  Coua voyano yqenni tcuqu naraba, axijcotoua
sucoximo arumai: fauano yqenuo qicazuua, tachi-           15
machi miuomo, inochiuomo vxinauo<zu.


エソポのハブラス2.27 (489.03--489.16)

野牛(やぎゅう)の仔と、オウカメのこと。

 野牛の母(はわ) 草を食らいに野に出(いづる)とき、子供に言い置く様(よう)は、「この穴の戸を内よりよう閉じていよ。何と外(ほか)より呼び叩くというとも、我が声と、またこの様に叩かずは、粗忽に開くな」と言うて出た。オウカメ 母の野に出(で)た隙を狙うて来て、母の声を似せて、その戸を叩いた。野牛の子供 内から聞いて、「声は母の声なれども、戸の叩き様はオウカメぞ」と言うてちっとも開けなんだ。

   下心。

 子は親の異見に付くならば、悪しいことは少しもあるまい、母(はわ)の異見を聞かずは、たちまち身をも、命をも失わうず。


注:
「エソポのハブラス」や「国字本の伊曽保物語」では、他の寓話集では一般的に、「山羊」となっている動物に、Yaguiu< (野牛)があてられている。



・類話などについて

Marie de France 90 狼と子山羊

昔々のこと、母山羊は、草を食べるために草原を見つけようと思った。
母山羊は子山羊を自分の許へと呼び、これから言うことによく注意するようにと言った。
 どのような動物も中に入れてはなりません
 死にたくなかったら、我慢するのです。
 奴らが何を言おうと、何と懇願しようとも、
 私が帰って来るまで、誰も中に入れてはなりません。
母山羊はこう言って、森へと出かけて行った。
狼は母山羊がいなくなるのを見届けると、子山羊の許へと向かった。そして、扉を開けてくれるようにと懇願した。しかも、狼は、母山羊の声の真似をして言った。
子山羊は用心深くこう答えた。
 お母さんの声は聞こえたのだけど、
 身体はお母さんではないようだ。
「ここから消え去れ! この強盗め!
 お前はお母さんなんかじゃない。僕はちゃんと分かっているんだぞ!」
もしこの子山羊が、はいと答えて、狼を家の中に入れていたならば、
狼は子山羊を食ってしまっていただろう。
だから、賢い人たちは、用心を怠らず、悪者の言う事を信じてはならない。
そして、悪者の嘘に乗ってはならない。
しかし、我々はあらゆることに注意を払うことができるとは限らない。
であるから、偽善者や悪者たちは、いつもあなた方に悪い助言を与えようとするのだ。

Perry572 Ademar61 Romulus2.10 Gualterius29 Caxton2.9 TMI.J144  Type123


L’Estrange 31 狼と仔山羊と母山羊

  ある朝、母山羊は新鮮な草を取りに外へ出かけようとしていた。その時彼女は、子どもに、自分が戻って来るまで、あご髭の生えていない動物が来ても、扉を開けてはいけないと言った。彼女が見えなくなるとすぐに、母山羊の話を立ち聞きした狼が扉の所へとやって来た。そして、母山羊の声色を使って、自分を中に入れるようにと仔山羊に呼びかけた。仔山羊は悪事の匂いをかぎ分けて入れるのを拒んだ。すると悪い狼は、自分のあご髭を見せた。こうして、扉は狼のために開かれることとなった。

教訓 : すでに知られている特徴を真似ないような詐欺師はいない。

注: これらの話は、パエドルス系統の話なのだが、拙者の読んだ感じでは、これがパエドルス本人の作品とは思えない。(何の根拠もない)。
 これらの話は、中世から近世にかけてかなり有名な話だったようだが、グリム童話にその地位は奪われることとなる。

グリム童話 KHM5 オオカミと七匹の子ヤギ

  昔々、七匹の子ヤギを持った母ヤギいました。母ヤギは子供たちにもてる限りの愛情を降り注いでいました。ある日のこと、母ヤギは森へ食べ物を取りに出かけなければならなくなりました。そこで母ヤギは、子供たち全員呼び集めるとこう言いました。
「いいですか、お母さんはこれから森へ出かけなければなりません。だから、自分たちでオオカミから身を守らなければなりませんよ。もしオオカミが入って来たら、お前たちは皆、皮も毛も全てむさぼり食われてしまいましすからね。オオカミはよく、変装をします。でも、お前たちはその、ガラガラ声とその黒い足からすぐにオオカミだと分かるはずです。」
  母ヤギがこう言うと子ヤギたちが言った。
「お母さん。僕たちは十分注意しますから、心配しないで、どうぞ森へ出かけて下さい」
  こうして母ヤギは、メーと鳴くと、安心して森へと出かけて行きました。

  それからすぐに、何者かが家の扉を叩きました。そして、「子供たちや、母さんだよ。戸を開けておくれ、お前たちのために、おみやげを持って帰って来ましたよ」という声がしました。しかし、子ヤギたちはそのガラガラ声から、それがオオカミだということが分かりました。
「扉など開けるものか」子ヤギたちが叫びました。「お前はオオカミだ」
  そこでオオカミは店屋へ行き、たくさんチョークを買うとそれを食べ、優しい声に変えました。そして引き返して来ると、家の扉を叩き、「子供たちや、扉を開けておくれ、母さんですよ。お前たちにおみやげを持って帰ってきましたよ」と言いました。しかし、窓に立っている黒い足を見て、子ヤギたちは叫びました。
「扉など開けるものか。僕たちの母さんの足は、お前のように黒くないぞ。お前はオオカミだ」
  そこでオオカミはパン屋へと走って行くとこう言いました。「足を怪我してしまった。練り粉を足に塗ってくれ」
  パン職人が足に練り粉を塗ると、オオカミは粉屋の所へ走って行くとこう言いました。「白い粉を俺の足にまぶしてくれ」
  粉屋は、「このオオカミは誰かを騙そうとしているに違いない」と考えて断りました。するとオオカミが言いました。
「もし、嫌と言うなら、お前を食ってやる」
  これには粉屋も恐れをなし、オオカミの足を白くしてやりました。実際これが世の常というものです。

  こうして、この悪者はこれで三度目、やって来ました。そして扉を叩いてこう言いました。「子供たちや、扉を開けておくれ。お前たちのお母さんが帰ってきたんだよ。森からおみやげを持って帰ってきたんだよ」
  すると子ヤギたちは叫びました。「まず、足を見てよ。僕たちの優しい母さんかどうか分かるようにね」
  すると、オオカミは窓から足を中に入れました。子ヤギたちはその足が白いのが分かると、オオカミの言っていることは、全て本当だと信じて、扉を開けました。しかし、中に入ってきたのは誰であろう、オオカミだったのです。子ヤギたちは恐れおののき、隠れようとしました。一匹はテーブルの下に飛び込み、二匹目はベッドへもぐりこみ、三匹目はストーブの中へ、四匹目は台所へ、五匹目は戸棚の中へ、六匹目は洗濯桶の下へ、そして七番目は柱時計の中へと隠れました。
  しかしオオカミは子ヤギたちを全員見つけると、情け容赦なく、一匹一匹、丸飲みにして行きました。しかし、一番年下の、柱時計の中に隠れた子ヤギだけは、見過ごしました。オオカミ満腹になると、外へ出て行き、草原の木の下にごろりとなると昼寝を始めました。
  母ヤギが森から帰ってきたのは、それからすぐ後のことでした。 ああ、なんてことでしょう! 母ヤギのそこで見た光景とは・・・・・扉は大きく開け放たれ、テーブルやイスや長椅子は投げ出され、洗濯桶はバラバラに壊れ、布団や枕はベッドからずれ落ちています。母ヤギは子供たちを探しました。しかし何処にも見あたりませんでした。母ヤギは子ヤギの名前を一匹一匹、呼んでみました。しかし、誰も返事をしませんでした。しかし母ヤギが一番年下の子ヤギの所へ来た時に、弱々しい鳴き声が聞こえてきました。
「お母さん。僕は時計の中にいます」
  母ヤギが時計の中から子ヤギを抱きかかえると、子ヤギは母ヤギに、「オオカミが来て兄さんたちを全員食べてしまいました」と言いました。
  さて、皆さんは、この時、母ヤギがどんなに嘆き悲しんだか想像できますね。

  母ヤギは悲しみに暮れていましたが、ようやく外へ出て行きました。そして一番小さな子ヤギも母ヤギについて走りました。二匹が草原へとやって来ると、木の所でオオカミが枝を震わせるような大きないびきをかいて寝ていました。母ヤギはオオカミのあちこちをくまなく調べました。すると、オオカミの膨れた腹の中で、何かがもがき動いているのに気づきました。
「おお、神様」母ヤギが言いました。「まだ望みがあるわ、オオカミに飲み込まれた子供たちは、まだ生きているのよ」
  そばにいた子ヤギは走って家へ行き、ハサミと針と糸を取ってきました。そして母ヤギは、この恐ろしいオオカミの腹を切り裂きました。すると、一切りするとすぐに、一匹の子ヤギの頭が出てきました。そして大きく切り裂くと、六匹全てが次から次ぎへと跳び出てきました。子ヤギたちは生きていたばかりか、傷一つ負っていませんでした。このオオカミは、食い意地が張っていたので、子ヤギ全員を噛まずに丸飲みにしたからです。
  皆大喜びで、大好きな母さんヤギに抱きつきました。そして、水兵さんの結婚式のようにピョンピョン跳ね回りました。すると母ヤギが言いました。
「お前たち、大きな石を探しておいで、そして、この悪いオオカミが寝ている間に、お腹の中に詰めるのです」
  こうして七匹の子ヤギたちは、大急ぎで、そこここから石を引っ張って来ました。そしてオオカミの腹の中へ詰められるだけ詰め込みました。そして母ヤギが大急ぎで、開いた腹を縫いつけました。こうして、オオカミは何もきづかず、毛ほども動きませんでした。

  十分に眠り満ち足りると、オオカミはようやく立ち上がりました。すると腹の中に石が入っているので、とても喉が渇きました。オオカミは水を飲もうと泉へと向かいました。しかし歩き出すと、腹の中の石がそれぞれぶつかり合って、がちがち言うのです。オオカミは叫びました。
「なんだこいつは、ゴンガラゴン、ガンゴロゴン骨に響きやがる。六匹の子ヤギどもかな。でも、大きな石でも詰め込んだような感じだ」
  オオカミは泉に着くと、水を飲もうとして身をかがめました。すると重い石に引きずられるようにして水の中へと落ち、そして溺れて死んでしまいました。七匹の子ヤギたちはその様子を見ると、その場所へと走って行って、「オオカミが死んだ。オオカミが死んだ」と叫んで、母ヤギとともに、泉の周りを楽しく踊り回りました。

注: この話の後半部分の、「狼の腹に石をつめしこむ」というような部分は、グリムが付け足したのではないかと思われる。この部分は、ギリシア神話のゼウスとクロノスとの葛藤を彷彿とさせる。


日本昔話通観インデックス 348 天道さんの金の綱

三人兄弟の母親を食った山姥が、母親を装ってくるが、留守の兄弟は、母親の手や声と違う、と戸を開けない。
山姥が手と声とを母親に似せてくると、兄弟はだまされて中に入れる。山姥が赤子を食い、いぶかる兄たちに指を投げたので、兄たちは木に登って隠れる。長兄が、水に映る兄弟の影をすくう山姥を笑い、二人は見つかる。
次兄が山姥に、木を油を塗って登った、と教えると、山姥はそのとおりにし、すべって登れない。長兄が、鉈で木をきざんで登った、と教えると、山姥はそのとおりにして登ってくる。兄たちは、天道さん金の綱を下ろしてくれ、と願い、下りてきた綱を伝わって天に昇る。山姥もまねて願い、下りてきた腐れ縄が切れて落ちて死ぬ。山姥の血でそばの茎が赤くなり、兄弟は兄弟星となる。


その他
エスピノーサ スペイン民話集 66 三匹の子山羊と狼 三原幸久 編訳 岩波文庫
中国民話集 1 トントン、カッタン、サラサラ  飯倉 照平 編訳 岩波文庫
イギリス民話 三匹のこぶた

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