ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

489.
        Varambeno fitcujiuo co<ta coto.                        17

  Aru varambe fitcujini cusauo co<te ytaga, yayamosu-
reba cuchizusamini vo>cameno quru zoto saqebu fodo
ni, fitobito atcumareba, samono<te cayeru coto tabi-    20
tabini voyo>da. Mata arutoqi macotoni vo>camega
qite, fitcujiuo curo<ni yotte, coyeuo facarini vomeqi
saqebedomo, reino soragoto yoto cocoroye, ideyo< fi-
to no<(t)e, cotogotocu curai fatasareta.                      24

490.
        Xitagocoro.

  Tcuneni qiogonuo yu< monoua, tatoi macotouo
yu< toqimo, fitoga xinjenu mono gia.                             03


エソポのハブラス2.28 (489.17--490.03)

童(わらんべ)のヒツジを飼うたこと。

  ある童(うらんべ)ヒツジに草を飼うていたが、ややもすれば口ずさみに「オウカメの来るぞ」と叫ぶほどに、人々集まれば、さも無うて帰ること度々に及うだ。またある時 真(まこと)にオウカメが来て、ヒツジを食らうによって、声をはかりに喚(お)めき叫べども、「例の虚言(そらごと)よ」と心得、出(い)で合(よ)う人 無うて、ことごとく食らい果たされた。/

      下心。

 常に虚言(きょごん)を言う者は、たとい真を言う時も、人が信ぜぬものぢゃ。



・類話などについて

タウンゼント 74.ヒツジ飼の少年とオオカミ

 少年は、村の近くで、ヒツジの番をしていたのだが、退屈すると、「狼だ!」「狼だ!」と叫ぶことがよくあった。村人たちが駆けつけると、少年は、皆の慌てた様子を見て笑った。そんなことが、何度も続いた。ところが、ついに、本当にオオカミがやって来た。少年は、恐怖に駆られて叫んだ。
「お願だ。助けてくれ! オオカミがヒツジを殺してるんだ!」
 しかし、少年の声に耳を傾ける者は誰もいなかった。こうしてオオカミは、ヒツジを一匹残らず引き裂いた。

嘘つきが本当の事を言っても、信じる者は誰もいない。

Perry210 Chambry318  Caxton6.10  Hou43 Charles44 TMI.J2172.1  Type 1333 (Aesop)

サキャ格言集 296 今枝由郎訳 岩波文庫

嘘で相手を騙したと/思うなら自分を騙したことだ。/一度でも嘘をつけば/真実を言っても疑われる。

タウンゼント 182.泥棒と宿屋の主

 泥棒が、宿屋に部屋を借りて、何かめぼしいものを盗んでやろうと思ってしばらく逗留することにした。
 数日間、泥棒は空しく時を過ごしたが、宿屋の主が仕立ての良い新しいコートを着て、店の前に座っているのを見つけた。泥棒は主の脇に座って話しかけた。
 会話が一段落つくと、泥棒は、恐ろし気に大口を開けて、そして、狼のように吠えた。すると宿屋の主が尋ねた。
「どうして、そんなに恐ろしい声を張り上げるのかね?」
「わけはお話しますが、でも、その前に……私の服を持っていてもらえないでしょうか? さもないと私は服をズタズタに引き裂いてしまうのです」泥棒はそう言うと先を続けた。「いつから、こんな大口を開けるようになったのか分からないのです。また、この遠吠えの発作にしても、私が何か罪を犯して、罰として与えられたものなのかどうかも分からないのです。……ただ分かっていることは、私は三回大口を開けると、狼に変身して、必ず人間を襲うのです」
 泥棒はこう言うと、二度目の大口を開けて、狼のように吠えた。泥棒の話を信じ込んでしまった宿屋の主は、恐怖に駆られて、跳び上がるとそこから逃げて行こうとした。すると泥棒は、彼のコートを掴んで、ここに留まるようにと懇願した。
「お願いです、どうかここにいて、私の服を持っていて下さい。さもないと、私が狼に変身して、狂暴になった時に、服をズタズタに引き裂いてしまうのです」
 泥棒はそう言うと、三度目の大口を開いて、そして恐ろしい唸り声を上げた。恐怖に震えた宿屋の主は、男に襲われないようにと、自分の新しいコートを手渡すと、一目散に宿の中へ逃げ込んだ。
 泥棒は、そのコートをもってとんずらすると、二度と戻って来なかった。

世の中には、信じてよい話と信じてはならぬ話がある。

Perry419 TMI.K335.0.4.1 (Laurentianus)

歴史 ヘロドトス 4巻105 松平千秋 訳 岩波文庫

 ネウロイ人はどうやら魔法を使う人種であるらしく、スキュタイ人やスキュティア在住のギリシア人のいうところでは、ネウロイ人はみな年に一度だけ数日にわたって狼に身を変じ、それからまた元の姿に還るという。私はこのような話を聞いても信じないが、話し手は一向に頓着せず、話の真実であることを誓いさえするのである。


参照リンク 童蒙教草4.26(イ) 羊飼ふ子供狼と呼びし事


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