ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

494.
        Catamena xicano coto.                                  05

  Aru catamena xica vmibatauo mauatte famiuo taz
zunuruga, cano xicano vomo> yo<ua: vare meuo fi-
totcu mochitareba, bexxite yo>jinga ytta coto giato co
coroyeta datede yoicatauoba nono cataye naxi, v-
miyoriua daijiarumaito vomo>te, xidaini saqiye yu-        10
qeba, voriximo sono isobatauo funega touottaga co-
no xicauo mite yauo ytateta.  Sonotoqi xixiga yu<ua:
satemo vareua funo varui monocana ! daijino deqeo>
to vomo>ta cataua daiji no<te, vomoinofocano catayo-
ri daijiga vocottato yu<te xinda.                                  15

        Xitagocoro.

Tabun fitoua caxicodateuo xite, xisocono< mono gia.        17


エソポのハブラス2.34 (494.05--494.17)

片目なシカのこと。

 ある片目なシカ 海端(うみばた)を廻って食(は)みを尋ぬるが、かのシカの思うようは、「我 目を一つ持ちたれば、別して用心がいったことぢゃ」と心得ただてで良い方(かた)をば野の方(かた)へなし、海よりは大事あるまいと思うて、次第に先へ行(ゆ)けば、折りしもその磯端を舟が通ったがこのシカを見て矢を射立てた。その時 鹿(しし)が言うは、「さても我は符(ふ)の悪い者かな! 大事のできょうと思うた方(かた)は大事無うて、思いの外(ほか)の方より大事が起こった」と言うて死んだ。

    下心。

多分 人は賢(かしこ)だてをして、し損なうものぢゃ。



・類話などについて

タウンゼント 105.片目のシカ

 片目のシカは、身を守ろうと、海に突き出た岸壁に居を構えた。そして、猟師や猟犬が近づいてくるのをいち早く察知しようと、見える方の目を陸地に向け、怪我をした方の目は、危険のない海の方へ向けていた。
 しかし、船がそこを通りかかりシカを見つけると、狙いを定めて銛を放った。シカは、息絶える時、喘ぎ悲しんでこんなことを言った。
「ああ、なんて不幸なんだ。安全な場所を求めて遙々森からやってきたのに、そこがもっと危険な場所だったとは……」

Perry75 Chambry105  Hou66 Charles54 TMI.K929.2 (Aesop)


L'Estrange 168 翡翠

翡翠はたいてい人里離れた水辺に暮らし、鳥刺しの手の届かない、土手の穴に巣を造る。ある翡翠が、彼女の雛たちのために、食べ物を探し回っていた。しかしその間に、洪水が押し寄せ、巣もろとも雛たち全員を流し去ってしまった。彼女は戻って来て、事の次第を知ると、悲しみのあまり叫び声をあげた。
「ああ、なんて私は不幸なんだろう! 敵の手から逃れようとして、別な敵の口へと飛び込むとは……」

教訓:  一つの危険を免れようと事を成し、その行為により別な危険を招来して破滅してしまうということが、賢明な人々の間にはよくあることだ。
Pe25 Cha28 (Aesop)


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