ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

494.
        Xicato, budo<no coto.                                      18

  Aru xica cariu<do yori niuacani vouaruruni yotte,
xencatanasani sono atarina budo<no cazzurano vchi      20
ye miuo cacuita: cariu<do sono tocorouo touore(d)o-
domo, xicauo mitcuqeide yuqisuguita. Sono xica
ara imaua carai inochiuo tasucatta monocanato vo-
mo>te, co<beuo saxiague sono budo<no fauo curo<taga,   24

495.
sono cuchiuotouo cariu<doga qiqitcuqe ayaximete ta       01
c(h)icayeri, sateua cano cazzurano cagueni nanzo qe-
d(a)monono voru monoyoto mireba, miguino xicauo
mitcuqe, sonomama yte toru tocoroni, xicano yu<ua:
vaga inochiuo tasuqeta cono cazzurano fauo cu<ta ba     05
chini cono togani vo<zoto yu<te xinda.

        Xitagocoro.

  Vonuo ata vomotte fo>zureba, tenbat nogarezuto
yu< gui gia.                                                                09


エソポのハブラス2.35 (494.18--495.09)

シカと、ブドウのこと。

 あるシカ 狩人(かりゅうど)よりにわかに追わるるによって、せんかたなさにその辺りなブドウの蔓(かづら)の内へ身を隠いた、狩人 その所を通れども、シカを見つけいで行(ゆ)き過ぎた。そのシカ「あら 今は辛(から)い命を助かったものかな」と思うて、首(こうべ)を差し上げそのブドウの葉を食ろうたが、/その口音(くちおと)を狩人が聞きつけ怪しめて立ち返り、「さてはかの蔓の陰になんぞ獣(けだもの)のおるものよ」と見れば、右のシカを見つけ、そのまま射てとるところに、シカの言うは、「我が命を助けたこの蔓の葉を食うた罰(ばち)にこの咎に遇(お)うぞ」と言うて死んだ。

     下心。

 恩を仇(あた)をもって報ずれば、天罰逃れずという儀ぢゃ。


注:
494.20-21 touoredodomo とおれどども → touoredomo とおれども (通れども)



・類話などについて

タウンゼント 184.シカとブドウの木

 シカが、猟師に執拗に追い立てられ、大きなブドウの葉陰に隠れた。猟師たちは、シカに気付くことなく足早にそこを通り過ぎて行った。
 シカは、危険が去ってほっとすると、ブドウの蔓を食べ始めた。すると、一人の猟師が、ブドウの葉がカサカサいうのに振り返り、シカを見つけると、見事弓で射抜いた。
 シカは、今際の際にこう呻いた。
「こんな目に遭うのも当然だ。助けてくれたブドウの木に、ひどい仕打ちをしてしまったのだから・・・・・」

Perry77 Chambry103 La Fontaine5.15 TMI.J582.2 (Aesop)



カリーラとディムナ 井戸の中の男 菊池淑子訳 平凡社

 恐怖にとりつかれて余儀なく井戸に隠れた男が、井戸に端に生えている二本の灌木の枝に体をひっかけて、井戸にぶら下がった。そのとき両足がなにかの上にとまった。いい足場があると思って足元を見ると、踏んでいたのは四匹の蝮で、彼らは頭を穴からもちあげている。井戸の底を覗くと、竜が男をめがけて口を開けている。灌木を見上げると、その根元を、白黒二匹のねずみが休まず無心でかじっていた。なんとかしてこの窮地を抜け出さなければ、とそのままの姿勢で思案していると、ふと近くにあった蜜窩が目にとまった。わずかに蜜をしたたらせている。なめるとその甘いこと。男はうっとりして自分を忘れた。四匹の蝮に足をのせていることも、その中のどれかが、あるいは全部がいっせいにいつ襲いかかるかも知れないということも、忘れていた。ねずみが木をかじっていることも、それが終われば自分は竜の口に落ちて死ぬことも思い出さなかった。そして男は、死ぬまでこの放心と自失の状態を止めなかったのである。

ペリー 609 人とユニコーン

ユニコーンに追い掛けられて逃げていた男が、美味しそうな林檎のなった木に上った。
木の下にはヒキガエルや色々な爬虫類でいっぱいの穴があった。
白と黒の二匹の虫が木の根本を囓っていた。男は木に上り木陰に入って林檎を食べ始めた。しかし彼は虫たちが木を囓っているのに気付かなかった。遂に木は倒されて、哀れ男は、穴の中へ投げ込まれた。
Odo of Cheriton 66

サキャ格言集 136 今枝由郎訳 岩波文庫

劣った者は自分が頼る者をやっつけ/立派な人は自分が頼る者を守る。/虫は自分が寄りかかっている葉を食べ/ライオンは自分の国と周りを守る。


タウンゼント 71.ブドウの木とヤギ

 若葉の季節、一匹のヤギがブドウの新芽を食べていた。すると、葡萄の木がヤギにこう言った。
「なぜ、あなたは、私を傷つけるのですか? 草原に若葉がもうないとでもいうのですか? たとえ、根だけになっても、私は必ず復讐しますよ。……あなたが生け贄として供される時、酌み交わされる葡萄酒を、私は提供するのです」

Pe374 Cha339  (Ba)


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