ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

495.
        Canito, febino coto.                  10

  Canito, febi tagaini juccon xi, aru anani futatcu to
moni toxi fisaxu< sumi ytaniyotte, cani febini yu<ua:
amari qixoto, soregaxiua mizzuto, vuotono goto-
qu giani yotte, cocorouo vocazu mo<su: qixono coco
ro(n)o magatta cotouo sucoxi vonauoxiarecaxito vo      15
rivori yqenuo cuuayuredomo, febi jo<gouani xite su
coximo qiqiirenandaniyotte, cani xingiu<ni coto-
nofoca farauo tatete, xoxen cayo<no itazzuramo-
nouo xabafusagueni iqete voite, caxirano itai cotouo
corayo> yoriuato vomoi, febineitte yta tocoroye so-      20
rosoro faiyotte, cano giu<daino fasami vomotte cu-
biuo fasamiqitte coroitareba; febi vaguetamatte yta
ga, niuacani suguni nattauo mite, cani zonjo<no to-
qi, sorefodo suguni cocoroga attaraba, ima cono gai       24

496.
uoba vqemai monouoto yu<ta.                                  01

        Xitagocoro.

  Fitouo tabacaro<to suru monoua qeccu fitoyori
tabacararurucoto vouoi mono gia.                             04


エソポのハブラス2.36 (495.10--496.04)

カニと、ヘビのこと。

 カニと、ヘビ互いに入魂(じゅっこん)し、ある穴に二つともに年久しゅう住みいたによって、カニ ヘビに言うは、「余り貴所と、某(それがし)は水と、魚(うお)との如くぢゃによって、心を置かず申す、貴所の心の曲がったことを少しお直しあれかし」と折々異見を加ゆれども、ヘビ情強(じょうごわ)にして少しも聞き入れなんだによって、カニ 心中(しんぢゅう)に殊のほか腹を立てて、「所詮かようの徒者(いたずらもの)を娑婆塞(しゃばふさげ)に生けて置いて、頭(かしら)の痛いことを堪(こら)ようよりは」と思い、ヘビ 寝入っていた所へそろそろ這い寄って、かの重代(ぢゅうだい)の鋏をもって首を鋏み切って殺いたれば。ヘビ 綰(わ)げ溜まっていたが、にわかに直(すぐ)になったを見て、カニ「存生(ぞんじょう)の時、それほど直(すぐ)に心があったらば、今この害/おば受けまいものを」と言うた。

      下心。

 人を謀(たばか)ろうとする者は結句 人より謀らるること多いものぢゃ。


注:
495.22 coroitareba; ころいたれば(。)
東洋文庫には、「殺いたれば(、)」とある。

495.24 attaraba あったらば
東洋文庫には、「あつたらば」とある。


・類話などについて

L'Estrange 154 蛇と蟹

  蛇と蟹が友情の契りをした。蟹は実直だったので、彼の友達に、ごまかしや偽善をやめ、善い行いをするようにと助言した。しかし、蛇は旧来の行いを続けた。蟹は蛇が行いを改めないのを知ると、蛇が寝ている隙に襲いかかり、絞め殺してしまった。蟹は蛇が死んでのびているのを見てこう言った。
「生きているうちも、このように真っ直ぐだったら、こんな目にあわずに済んだのに」

教訓: 対話するときは、率直に、心を開いて、単純明快に話すのがよい。

Perry196 Chambry290  TMI.J1053 Type 279*


日本昔話通観インデックス 205G 蛇婿入り--蟹報恩型

爺が蛙を飲みかけている蛇に、三人娘の一人を嫁にやるから蛙を放してやれ、と頼むと、蛇は蛙を放して去る。爺が娘たちに頼むと、上の二人はことわるが末娘が承知し、小屋に閉じこもる。夜になって蛇が来ると、末娘のかわいがっていた蟹とその仲間が蛇をはさみみ切り、蟹たちも死ぬ。


パンチャタントラ 5.15 蟹に救われた旅人 田中於莵弥・上村勝彦訳 大日本絵画

 ある所にブラフマダッタという名のバラモンが住んでいた。彼が所用でよその村に出発しようとしていると、母親が彼に言った。
「わが子よ、どうして一人で行くのです? 誰か同伴者を捜しなさい」
 すると彼は答えた。
「お母さん、恐れることはありません。この道中は危険ではありません。急用があるので一人で行きます」
 彼がそう決心していることを知ると、母親はそばにある井戸の所から蟹をつかまえて来てこう言った。
「わが子よ、どうしても行かなければならぬのなら、この蟹でもよいから道連れにしなさい。これを持って行きなさい」
 彼も母の言葉なので、それを両手で受け手樟脳の袋の中に入れ、それを容器の中に投げ入れると急いで出発した。
 さて彼は歩いて行くうちに、夏の暑さに苦しみ、道ばたに立っている一本の樹のそばに行き、そこで眠ってしまった。そのうちに、蛇が樹の穴からはい出て、彼に近づいて来た。蛇は生まれつき樟脳の芳香が好きなので彼をほっておき、布をひき裂き中にある樟脳の袋をガツガツと食べた。ところが袋の中にいた蟹は蛇を殺してしまった。
 バラモンが目を覚ましてあたりを見まわすと、自分のかたわらの樟脳の袋の上で黒蛇が死んでいるのを認めた。それを見て彼は「こいつは蟹に殺されたのだ」と思い、喜んで言った。
「ああ、母が私に言ったことは真実だ。人は誰か道連れを作るべきであり、一人で行ってはならぬということは・・・。私は心から母を敬愛しその忠告に従ったので、蟹が蛇を殺して私を守ってくれた。全くよく言ったものだ。


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