ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

498.
        Vo>cameto, couo motta vonnano coto.                 20

  Vo>came yppiqi arufi yemonoga no<te vyeni voyo>
de, cococaxicouo caqemeguri, aru yamazatono
xizzuga iuorino noqibani yoriso>te qiqeba, chijsai co-
no naquuo sucasu tote, sono faua camayete nacaba, vo>   24

499.
cameni yaro<zuto yu<niyotte, vo>cameua coreuo qi-          01
qi, macotocato vomo>te, appare coreua yoixiaua-
xecanato machicaqete yreba, fimo yo<yo< cureyuita.
Saredomo couoba cureide, amassaye fauano yu<yo<ua:
(a)raito>xino monoya! qizzucai suruna: tatoi vo>came          05
ga qitaritomo, soitcumeuoba vchicoroite cauauo fai-
de noqeo>zoto yu<niyotte, vo>came vomo>yo<ua: sarito
teua icco> rio<jetnamonogia: fajimeua cureo>to yu<taga,
imaua mata fiqicayete miuo coroso<uayare, cauauo fa
go<ua nadoto yu<cato yu<te, sugosugoto socouo tachisatta(.)  10

        Xitagocoro(.)

  Fitoua tabun cocoroto, cotobaua ninu monode,
yayamosureba, yacusocuuo fenji, vomouanu cotouo
mo yu< mono gia.                                                    14


エソポのハブラス2.40 (498.20--499.14)

オウカメと、子を持った女のこと。

 オウカメ一匹ある日獲物が無うて飢えに及うで、ここかしこを駆け巡り、ある山里の賤(しづ)が庵の軒端(のきば)に寄り添うて聞けば、小さい子の泣くを賺(すか)すとて、その母(はわ)「構えて泣かば、オウ/カメに遣ろうず」と言うによって、オウカメはこれを聞き、真かと思うて、「天晴れこれはよい幸せかな」と待ちかけていれば、日も漸々(ようよう)暮れ行(ゆ)いた。されども子をばくれいで、剩(あまっさえ)母の言うようは、「あら愛(いとう)しの者や! 気遣いするな、たといオウカメが来たりとも、そいつめをば打ち殺いて皮を剥いでのきょうぞ」と言うによって、オウカメ思うようは、「さりとては一口両舌(いっこうりょうぜつ)な者ぢゃ、初めはくりょうと言うたが、今はまたひき換えて身を殺そうはやれ、皮を剥ごうはなどと言うか」と言うて、すごすごとそこを立ち去った。

    下心。

 人は多分心と、言葉は似ぬもので、ややもすれば、約束を変じ、思わぬことをも言うものぢゃ。


・類話などについて

Thomas James 78 乳母と狼

 食べ物を探してうろついていた狼が、ある家のそばを通りかかったのだが、そこでは、子供が泣いていて、乳母がそれを叱っていた。狼は立ち止まり乳母の話を聞くと、こんなことを言っていた。
「さあ、今すぐ泣きやまないと、狼にくれてやるよ」
 狼は彼女が約束を守るだろうと思い、夕食を当て込んで、その家の近くでおとなしく待っていた。しかし夕闇が迫り、子供が静かになると、乳母は子供を可愛がりながら、今度はこんなことを言っていた。
「ああ可愛い子だね。悪い狼がやってきたら、奴を打ち殺してやるからね」
 狼は当てが外れてがっかりし、家に帰ることにした。そして帰る道すがら、腹ぺこの狼はこうつぶやいた。
「こうなったのも、言葉と思っていることが裏腹な者を信じたからだ」

Perry158 Chambry223 La Fontaine4.16 TMI.J2066.5 Type 75* (Aesop)

タウンゼント 269.母親とオオカミ

 ある朝の事、腹を空かせたオオカミが、餌を求めてうろつき回っていた。オオカミが、森の小さな家の前を通りかかると、母親が子供にこんなことを言っているのが聞こえてきた。
「静かにしなさい。さもないと窓から放り投げてオオカミに食わせてしまうよ」
 それを聞いたオオカミは、一日中家の前に座って待っていた。ところが夕方になると、母親が子供をなでながら、こんな事を言っているのが聞こえてきた。
「おとなしくて良い子だね。オオカミがやって来たら、奴を殺してやるからね」
 オオカミはこれらの言葉を聞くと、飢えと寒さにうちひしがれて家に帰って行った。巣穴に戻るとオオカミの妻が、どうして、何も獲らずに帰って来たのかと訊ねた。 
 すると彼はこんな風に答えた。
「女の言葉を信用して、無駄な時間を費やすとは、とんだ間抜けだったよ」

Babrius16 Avianus1 Caxton7.1  Hou46 Charles94   TMI.J2066.5 Type 75* (Ba)

カンタベリー物語2p73-74 桝井迪夫 訳 岩波文庫

 彼らは干し草を積んだ荷馬車を見ました。それを一人の馬方が馬を駆りたてて道を進んでいました。困ったことに道は泥が深くて、そのために荷馬車は立往生してしまいました。馬方は馬に鞭をあて、気違いみたいにわめきました、「はい、どう、ブロック! 急げ、スコット! なんだって石なんかで止まったりしているんだ。悪魔めがお前を捕まえてゆくがいい! 体も骨も、何もかも、きっとな! わしゃお前のためにこれほどまでにひどい目にあったんだ! 悪魔めが何もかも持ってゆくがいい、馬も荷馬車も干し草もみんな!」
 この召喚吏は言いました、「さあ面白いことが起こるぞ」そして何事もなかったかのようにこっそりと悪魔のところにずっと近づいて行って彼の耳にささやきました、「聞いたか、兄弟、聞いたかよ、本当に! 馬方がどう言っているか聞かなかったかい。それをすぐ捕まえたらどうだい。だってあの馬方はお前さんにみんなくれてやったんだから。干し草も馬車も、おまけに三頭の馬車馬もなあ」
 「いや」悪魔は言いました。「神にかけてそんなことはない! それはあの男の思っていることじゃないんだ、ほんとうだよ。ほんとだと思われんなら、お前さんがあの男に聞いてみるといい。それと、ちょっと待ってみろ。そうすりゃ、お前さんもきっとわかるだろう」 
 さてこの馬方は馬の尻を軽く叩きます。すると馬は引いたり、身をがめたりし始めました。
「はい、どうどう!」と彼は言いました。「イエス・キリスト様がどうかお前に祝福を与えて下さるようになあ。それにお造りになったもの、大となく小となくすべてのものにな! そうだ、うまいこと引いたぞ、かわいいブチめ。神様がお前を助けて下さいますように。ロイ聖人様も!やれや、やっとわしの荷馬車もぬかるみから抜け出たわい!」
 「どうだ兄弟、わかったか」と悪魔は言いました。「わしはお前に何を言ったかいな。ここでわかるだろう、親しい兄弟よ。この男の言ったことと考えていたことは別だったということがさ。どりゃ、わしらの旅を続けるとしようか。ここじゃわしは馬車代も何も儲けてはおらんわい!」


狐物語 ルナールと百姓リエタール

百姓が、牛の働きが悪いので、お前なんか今日のうちにでもどこかの熊にくれてやると言うと、その話を聞いていた熊が出てきて、牛をくれと言う。

知恵の教え23 農夫が狼にやると約束した牛と狐の裁決
Caxton8.9 狼と農夫と狐とチーズ

パンチャタントラ 2.06 牡牛とジャッカルの夫婦 田中於莵弥・上村勝彦訳 大日本絵画

 ある地方にティークシュナヴィシャーナ(尖った角)という大きな牡牛が住んでいた。彼は過度の発情のため、仲間の群をすてて、角で川の岸を掘り返しつつ、思いのままにエメラルドにも似た若草を食べながら森に住んでいた。ところでその森にはプラローバカ(貪欲)というジャッカルが住んでいた。ジャッカルはある時、自分の妻と一緒に川岸に楽しく坐っていた。その時からティークシュナヴィシャーナは、水を飲むためにその砂岸に降りてきた。すると牡牛のぶら下がった睾丸(ふぐり)を見て、牝のジャッカルが牡に言った。
「あなた、あの牡ウシのぶら下がった二つの肉の塊をごらんなさい。きっと一瞬かあるいは一更(三時間)のうちに落ちてしまうわよ。そうとわかったら、あなたはあとについて行きなさい」
「妻よ、あの二つがいつ落ちるか落ちないかわかりはしないよ。お前はなぜ俺に無駄骨を折らせるようなことを要求するのだ。俺は此処に留まって、水を飲みに来る鼠を、お前と一緒に食べよう。ここは奴らの通り道なのだ。もし俺がお前から離れて、あの牡牛のティークシュナヴィシャーナの後について行ったら、他の誰かがこの場所にやってきて住むだろう。そんなことをするのは適当でない。

 結局ジャッカルは妻に説得されて、妻とともに牡牛の後についてさまよい、長い時を過ごしたが、あの二つのものは落ちなかった。そして絶望の揚げ句、十五年たって、ジャッカルは自分の妻に言った。

「弛くしかもよく結びついた両者が、落ちるか落ちないか、尊者よ、私は十五年も監視してきた。そして今後も、あの二つのものは落ちないだろう。それ故われわれふたりは自分の土地に戻ろう」

ペリー 712 オオカミと腹の減ったキネツ

オオカミが、腹を減らしたキツネにこう言った。
「向こうで囀っているプロメラのナイチンゲールの所へ行って、口を開けてごらん。そうすれば、彼女は君の口の中に落ちて、君は満足するという寸法さ」
こうして、キツネはナイチンゲールのとまっている所へ行き、彼女の下に立ち、大口を開けた。キツネが戻ってきた時に、オオカミはこんな風に尋ねた。
「俺の言った通りには、ならなかったのかい?」
するとキツネが答えた。
「ああ。彼女は羽ばかりで肉はなく、お喋りなだけだった」


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