ESOPONO FABVLAS.500. エソポのハブラス2.42 (500.07--500.20)ある年寄ったシシ王のこと。 あるシシ 若盛(わかざかり)の時は、勇気が過ぎてあるほどの獣(けだもの)を欺き、仇(あた)をないたことは計られぬことであった。このシシ年が寄って漸く行歩(ぎょうぶ)も叶わぬに及うで、弱目(よわめ)の霊気(りょうげ)とやらにイノシシをはじめ、山牛(やまうじ)、その他ロバまでもこのシシを踏んづ蹴つするによって、シシ涙を流いて言うは、「さても悲しいことかな!
身が全盛の時、恩を与えた者は今どこにいるぞ? ただ仇(あた)を結んだ者ばかり今は見ゆる」と。 ・類話などについて タウンゼント 119.年老いたライオン老いさばらえて、病気になりすっかり力を失ったライオンが、今にも死にそうになって、地面にうずくまっていた。すると、一匹のイノシシがライオンに突進し、牙で突き、積年の恨みを晴らした。それからすぐに、牡ウシがやってきて、角でライオンを突いた。それを見ていたロバは、ライオンがなんの反撃もできないのを見て取ると、蹄でライオンの額を蹴飛ばした。 ライオンは、死に際にこう言った。 「力のある者からの辱めは、なんとか堪えることができた。しかし、汝のような者から辱められるとは、不名誉の極み、これほどの苦しみはない」 Perry481 Phaedrus1.21 Caxton1.16 Hou9 La Fontaine3.14 Krylov8.1<7.9> TMI.W121.2.1 Cf.Type 50C (Ph) タウンゼント 226.イヌどもとキツネ幾匹かのイヌがライオンの皮を見つけて、チリヂリに裂いていた。キツネがそれを見てこう言った。「彼が生きていたなら、お前たちの歯なぞより、彼の爪の方が強いことを、瞬時に思い知らされるだろうがな」 倒れている者を蹴飛ばすのはたやすい。 Perry406 TMI.W121.24 Cf.Type50C (Syntipas) |
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