ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

444.

   Inuto, fitcujino coto.                                    15  

  Aru inu fitcujini yu<ua: nangini vo>xeta comugui
ychicocu isoide cayexeto saisocu xitaredomo, hi(t)cujij
cono cotouo yumenimo xiranu coto nareba, toni cacu
ni qendanno mayeni dete, yui firaco<zuruto iyeba,
inuno yu<ua: sono xo>coua reqireqi giato yu<te, vono     20
rega ychimino vo>cameto, tobito, carasuuo yatoi,
qenmonno mayeni deta: toqini vo>came tadaxiteni

445.
muco<te yu<ua: cono fitcuji inuno comuguiuo vqevo>
tacoto fitgio< gia: tobi mata susumidete yu<ua: najeni
fitcujiua xacumotuo vouanutoua yu<zoto xemureba,
carasumomata vaga mayede cattauoba zonjitato yu<
tocorode, qendan coreuo qijte, conovyeua qiu(<)mei        05
ni voyobanu: fitcuji isoide fenben seito ycqet xitani
yotte, fitcuji chicarani voyobazu, comuguiuo mota-
neba, mino qeuo faso(<)de yatta.

     Xitagocoro.

  Fitoniatauo naxitagaru acuninua qenpeiuo fonto            10
xite, do<rini nita cacotcuqeuo motomurucotoua tcu
neno cotogia toyu< cocoro gia.


エソポのハブラス1.02 (444.15--445.12)

イヌと、ヒツジのこと。

 あるイヌ ヒツジに言うは、「汝に負うせた小麦一石(いちこく) 急いで返せ」と催促したれども、ヒツジこのことを夢にも知らぬことなれば、「とにかくに 検断の前に出て、言(ゆ)い開かうずる」と言えば、イヌの言うは、「その証拠は歴々ぢゃ」と言うて、おのれが一味のオウカメと、トビと、カラスを雇い、検 問の前に出た、ときにオウカメ糺し手に/ 向こうて言うは、「このヒツジ イヌの小麦を請け負うたこと必定ぢゃ、」 トビまた進み出て言うは、「なぜにヒツジは借物(しゃくもつ)を負わぬとは言うぞ」と責むれば、カラスもまた「我が前で借ったをば存じた」と言うところ で、検断これを聞いて、「この上は糾明に及ばぬ、ヒツジ急いで返弁せい」と一決したによって、ヒツジ 力に及ばず、小麦を持たねば、身の毛を鋏(はさ)うでやった。

        下心(したごころ)。

 人に仇(あた)をなしたがる悪人は権柄(けんぺい)を本として、道理に似たかこつけを求むることは常のことぢゃという心ぢゃ。


注:
445.10 fonto xite web版では、sonto xite とある。


・類話などについて

L’Estrange 29 犬と羊と狼
    犬が羊に小麦を貸したと訴訟を起こした。原告の犬は、狼と鳶と禿ワシという明確な証人を立てて、羊に小麦を貸したことを立証した。
  被告の羊は、裁判の費用と賠償金の支払いを命じられ、債権者のために、背中の毛を売るようにと強要された。
教訓
  裁判官や陪審員や証人がグルになれば、その訴訟の理由が正しかろうが間違っていようが、また、その請求が本当であろうが嘘であろうが、そんなことは大 した問題ではない。

Perry478 = Phaedrus1.17,  Caxton1.04,  伊曽保 2.12,  TMI.Q263

クルイロフ寓話 7.16 農夫と羊 内海周平訳 岩波文庫
 農夫が羊を裁判にかけた。彼はあわれな羊を刑事事件に巻き込んだ。裁判官は狐。ただちに審理が開始された。事件の経緯、証拠の有無を順を追って、落ち着 いて語らせるために、被告と原告に尋問がおこなわれた。農夫が言うには、
 「これこれの日、朝早くに、わしの鶏が二羽足りなくなっておりました。残されたのは、鶏の骨と羽だけです。ところが、屋敷内にいたのは羊だけです。」
 羊は一晩じゅう眠っていたと言う。そこで羊は、証人として隣人をみんな呼んで、自分が一度も盗みをしたり、詐欺をはたらしたことがないこと、さらに自分 がまったく肉食はしないことを証言してもらった。ところが、狐の裁判の前文はつぎの通りだった。
 「羊の論拠は到底受け入れ難い。何となれば、おしなべて、ぺてん師は証拠湮滅に長けているからである。調査資料によれば、当夜、羊が鶏から遠く離れてい なかったことは明白である。ところが、鶏はすこぶる美味であり、しかも羊は好機に恵まれていたのである。よって、本職は良心にしたがって判断する。
 羊が自制して鶏を食わないということは不可能である。よって羊を死刑に処し、その肉は裁判所に引き渡し、毛皮は原告の所得するものとする。」

Ernest Griset  p283 狐とイタチと兎
  小さな臆病な兎は、地下に安全な隠れ家を持っていた。兎は、狡猾な狐がすぐ近くに潜んで、自分をとっつかまえて食おうとしているのに気付くと、狐が入り込 めない小さな隠れ家に、じっとしていた。ある日のこと、兎は狐がイタチと、大変仲良く談笑しているのを見かけた。彼は、とんでもない事態が起こると悟った が、しかし、事が起こるのがあまりにも早かった。イタチが彼の隠れ家に入り込むと、恐ろしい勢いで襲いかかって来た。兎は、穴から逃げ出す以外に助かる手 だてはなかった。しかし、彼が隠れ家から走り出した途端、狐に捕まってしまった。そして、狐はイタチと一緒に、兎をバラバラに引き裂いた。そのとき、彼ら の策略にかかった哀れな獲物は、死の苦しみの際に、不満をぶちまけた。
「お前たち二匹が共謀した時に、こうなることは、分かっていたのだ」


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