ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

462.
        Xicano coto.                         12

  Aru xica suife~ni dete mizzuuo nomuni, vonorega
cagueno mizzuni vtcuttauo mite vomo>yo>ua: sate
vagatcunono quabocu riqenno yo<ni miyurumono,     15
mata yoni arubeo>mo voboyenuto jiman xi: mata
yotcuno axino cagueno monoyouagueni, xicamo
fizzumeno vareta teiuo mite, satemo vaga yotcu-
axiua tanomoxiguenai youai micana! caxiraua cata-
qu, axiua youai teiuo nanini nitazoto vareto anji vaz      20
zuro<te ytatocoroni, fitono quru votoga suruni yotte,
auate sauaide yamani ittaga, nanto torifazzuitaca
tcunouo xiguerini ficcaqete, nuqisaximo canauaide,
sudeni ayavytoqi, xica fitorigoto xite yu<ua: cono          24

463.
nanni vo<coto mottomo do<rigia: vaga tameni yoico
touoba iyaxime, atato naru monouo manjita yuye
giato vomoiatat(t)a.

        Xitagocoro.

  Fitomo funbet naqereba, mino tameni tayorito             05
naru monouoba iyaxime, atato naru cotouo tatto-
mucoto vouoi (m)ono gia.


エソポのハブラス1.20 (462.12--463.07)

シカのこと。

 あるシカ水辺(すいへん)に出て水を飲むに、おのれが影の水に映ったを見て思うようは、「さて我が角の佳木(かぼく)利剣(りけん)のように見ゆるもの、また世にあるびょうも覚えぬ」と自慢し、また四つの脚の影のもの弱気に、しかも蹄の割れた体を見て、「さても我が四つ脚は頼もし気ない弱い身かな! 頭(かしら)は堅く、脚は弱い体を何に似たぞ」と我と案じ煩ろうていたところに、人の来る音がするによって、慌て騒いで山にいったが、何と取り外いたか角を茂りに引っ掛けて、抜き差しも叶わいで、すでに危うい時、シカ独り言して言うは、「この/難に遇(わ)うこともっとも道理ぢゃ、我がためによいことをば卑しめ、仇(あた)となるものを慢じた故ぢゃ」と思い当たった。

    下心。

 人も分別(ふんべつ)無ければ、身のために便りとなるものをば卑しめ、仇となることを尊むこと多いものぢゃ。


注:
462.15 quabocu かぼく(佳木) 「美しい木という意味」
東洋文庫には、「花木」とある。



・類話などについて

タウンゼント 257.水辺のシカ

 暑さに参ったシカが水を飲もうと泉へとやって来た。シカは、水に映る自分の影を見て、枝わかれした大きな角が誇らしかった。しかし、ほっそりとした貧弱な脚には腹が立った。このようにシカが、自分の姿を眺めていると、ライオンが水辺にやってきて、シカに飛びかかろうと身を屈めた。シカはすぐさま逃げ出した。広々とした草原を走っている時には、全力疾走ができたので、ライオンとの距離を容易に引き離すことができた。しかし、森に入ると、角が絡まってしまい、ライオンはすぐさまシカに追いつきシカを捕まえてしまった。今となっては、後の祭りなの
だが、シカはこう言って自分を責めた。
「なんてゆうことだ! 私はなんという勘違いをしていたのだろう! 自分を助けてくれる脚を軽蔑し、自分を破滅に追い込んだ角を尊んでいたとは……」

価値のあるものが、過小評価されることがよくある。

Perry74 Chambry102 Phaedrus1.12 Babrius43 Caxton3.7  伊曽保2.34 Hou25 Charles21
La Fontaine 6.9  TMI.L461  Type 77 (Aesop)

Caxton 5.6 雄山羊と狼 伊藤正義訳 岩波ブックセンター

 弱者は強者に刃向かってはならない、作者が語る次の寓話のように。
 狼があるとき雄山羊を追い掛けた。雄山羊は身を守るため岩の上にひょいと飛び上がった。狼は彼を待ち伏せた。こうして両者がそのまま留まって二三日たったとき、狼は腹が減ってきた。雄山羊のほうは喉が乾いてきた。そこで狼は食べに出掛け、雄山羊は飲みに出掛けた。雄山羊は水を飲みながら、水に映った自分の影を見た。そしてじっとその影を見つめながら、ひそかに次のような言葉を吐いた。「おまえはそんなにも美しい脚と、そんなにも美しい髭と、そんなにも美しい角を持っている。それなのに狼が怖いのか。奴が戻ってきたら、存分に懲らしめてやろう。奴を寄せ付けず、権力を振るわせないようにしてやる」狼はじっと黙って雄山羊の言葉を聞いていたが、やにわに雄山羊の片脚を捕らえると、こう言った。「雄山羊君よ、君がいま言った言葉は何だったかな」
雄山羊は捕まったと知り、狼に言った。「狼さん、何も言いませんよ。どうぞお情けを。私は自分が悪かったことを重々承知していますから」狼は雄山羊の首を抑えて、絞め殺した。
 ゆえに、弱者が強者に挑戦するのは愚の骨頂である。
Perry695

Odo of Cheriton27 カモシカ

カモシカとして知られる動物がいる。彼は剣の稽古にと、角を茂みに突き立てる。しばらくすると、角は茂みにからみつき、頭が抜けなくなる。彼は助けを求めて泣き叫ぶ。するとハンターがこれを聞きつけてやって来て殺すのだ。
  このように、多くの人々は、世の中の事柄をもてあそぶ。……そして、カモシカのようにからめ取られる。彼らは世俗の事柄にあまりにも多く関わっているので、誰も彼らを引っ張り出すことができない。そして、悪魔が彼らを滅ぼすのだ。
・水(鏡)の姿にうぬぼれる

Type 132 [K1775].

ヤギは水に映る自分の角に感心する。そして、「俺はオオカミなど恐れる必要はない」と呟く。すると後ろにいたオオカミが、「今、何て言ったのだ?」と尋ねる。
ヤギは、「(酒を)飲んでいる者は、こんな馬鹿なことを言うものだ」

Type 408 三つのオレンジ

III. 黒人の女が、オレンジのお姫さまの代わりとなる。
醜い黒人の奴隷(ジプシー)は、水を汲みにやって来て、木の上にいるお姫さまの姿が泉に映るのを見て、自分自身だと思い込む。そして、「こんなに美しいならば、水運びなどしなくてもよい」と水壺を壊す。

変身物語 ナルキッソスとエコー 

 彼にさげすまれた若者のひとりが、「あの少年も、恋を知りますように! そして、恋する相手を自分のものにはできませんように!」と祈った。この祈りを復讐の女神が聞きとどけた。
 澄みきった泉があった。少年はこの泉に映った自分の姿に魅せられて、実体のないあこがれを恋した。影でしかないものを、実体と思いこんだ。
「おまえに腕をさしのべると、そちらから腕をのばして来る。笑えば、笑いが返って来る。こちらが涙すれば、おまえのほうでも泣いている。それにも、気づいているのだ。うなずきにも、うなずきで答えてくれる。美しい口もとの動きから察するかぎり、言葉を返してくれてもいる。ただ、それがこちらの耳にとどかないだけだ!
 わかった! それはわたしだったのだ。やっと今になって、わかった! わたし自身の姿に、もうだまされはしないぞ! ああ、このわたしのからだから抜け出せたなら! 愛する者としては奇妙な願いだが、わたしの愛するものがわたしから離れていたら!」

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