ネクテナポ帝王エソポに御不審の条々。439.04--443.07
0.22 (大伽藍の不審のこと) 440.06--440.19
かくてエヂプトの帝王国家の学匠を召して、エソポに不審を為せと仰せ下さるるによって、ある学匠一人進み出でて問うは、「大伽藍の内に柱ただ一本あって、その上に十二の在所がある。その在所の棟木は三十ぢゃに、この柱から二人の女房
上っつ 下っつするは、何としたことぞ」と言えば、エソポ答えて言うは「これらの不審は我らが国には女童などの口ずさみでござる、まづ大伽藍とは、世界のことなり、一本の柱とは一年のこと、十二の在所とは、十二月のこと、三十の棟木とは三十日のこと、柱から二人の女が上り下りするというは、昼夜のことよ」と目算も無うざっと言うて出いた。
ESOPO p440
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