古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 あ流河の保と利に狼羊と水をのむ事あ利介利狼 02 八上尓あ利羊八河春楚尓あ利狼羊を三て可能そは 03 にあゆ三ち可徒支羊耳申介流八汝な尓乃故尓可 04 我のむ水をにこし遣るそ登云ひ津し答云わ連此 05 河春そ尓あ川てにこし介流程尓い可て可可八乃上 06 のさ八利登ならんやと申介れ八狼又云汝ちゝ六加 07 月い前に可八上耳き多徒天みつを尓こ須それ 08 によ津て汝可親乃登可を汝に加く流といへ利ひ徒 09 し答云わ連多いない尓してちゝ 10 事奈し御めんあ連と申け連八狼い可川て云そ能 11 と可乃三尓あらすわ連野山乃 【イソホ 中 十四】 12 そんさ須事き津く王いな利と申け連八ひつし 13 答云いとけな支身尓して草をそんさす事奈し登 14 いふ狼申介流八汝何乃ゆへ尓可悪口し介流そ登 15 い可利け連八ひつし可さ年て申遣る八わ可悪 16 口をいふにあら須そ能古と八利をこそのへ候へと 17 いひ介れ八於本可め乃いふやう八詮する所問答をや 18 めて汝をこそふくすへけ連となんいひ介流其こ登 19 く理非をき可ぬ悪人尓は是非越論して志与詮奈し 20 多ゝ介んいと可ん尓んと越毛つてむ可ふへし 21 十二 いぬとひ徒しの事 22 あ流時犬ひ津し尓ゆきあひて以ふやう汝尓於ほ |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 ある河のほとりに狼羊と水をのむ事ありけり狼 02 は上にあり羊は河すそにあり狼羊をみてかのそは 03 にあゆみちかつき羊に申けるは汝なにの故にか 04 我のむ水をにこしけるそと云ひつし答云われ此 05 河すそにあつてにこしける程にいかてかかはの上 06 のさはりとならんやと申けれは狼又云汝ちゝ六か 07 月い前にかは上にきたつてみつをにこすそれ 08 によつて汝か親のとかを汝にかくるといへりひつ 09 し答云われたいないにしてちゝ 10 事なし御めんあれと申けれは狼いかつて云その 11 とかのみにあらすわれ野山の 【イソホ 中 十四】 12 そんさす事きつくわいなりと申けれはひつし 13 答云いとけなき身にして草をそんさす事なしと 14 いふ狼申けるは汝何のゆへにか悪口しけるそと 15 いかりけれはひつしかさねて申けるはわか悪 16 口をいふにあらすそのことはりをこそのへ候へと 17 いひけれはおほかめのいふやうは詮する所問答をや 18 めて汝をこそふくすへけれとなんいひける其こと 19 く理非をきかぬ悪人には是非を論してしよ詮なし 20 たゝけんいとかんにんとをもつてむかふへし 21 十二 いぬとひつしの事 22 ある時犬ひつしにゆきあひていふやう汝におほ |
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