古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 てな尓ゝ可八志給ふへ幾なと(か多り)なくさむ所尓家主(いへぬし)
02 くら尓(やう)あ流事あ川て(に王かに)([と])をひらく(きやう)の祢須三
03 八もとよ利安内者(あんない志や)な連八わ可([そら])尓ゝけ入ぬ井中
04 乃ね春見八毛とよ利無安内(むあん奈い)の事奈れ八あ者てさは
05 きて加くれ所もなくからうして命計(いのち者可り)た須か利介流
06 そ能(のち)井な可乃(祢春三)さんく王いして(この)よしを可多
07 累やう御(遍ん)八宮古をい三しき事乃三あ利と乃(たま)
08 とたゝいま乃き徒可ひ一()八く八津といひ徒へく
09 候田舎(い奈か)尓て八事たらぬ古とも侍連共加ゝ流き徒
10 可ひ奈しとなん申介流そ能古とくいやし幾物
11 八加見徒可多能人丹ともなふ事な可連もし志ゐ

【イソホ 中 十九】

12 て古連登ともなふとき八い多津可八志き古と乃三
13 にあら須たちまちわさ八ひ出来(志由川らい)春へしか飛ん乃た
14 能しむも能八萬事(者んし)可へつて満足(まんそく)須とみえた利加類
15 可(ゆへ)尓古とわさ尓い者く飛んらくとこそいひ侍起
16    十九  きつ年と王し乃事
17 あ流([と]き)王し我子(王可こ)乃えし支と奈さん可ため(きつ祢)()
18 う八ひ登徒てとひさ利ぬ支つ年天尓あふ起()尓婦
19 して奈けきかなしむとい遍ともそ能可ひ奈しき津
20 ね心に思ふやうい可さ満尓も多可能あ多尓は(けむ)
21 しく事奈しとて(し者)登いふ物をわ志の春のもと尓
22 あ津めて()をなん徒遣介れ八(王し)()本のをのうちに
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 てなにゝかはし給ふへきなと(かたり)なくさむ所に家主(いへぬし)
02 くらに(やう)ある事あつて(にわかに)([と])をひらく(きやう)のねすみ
03 はもとより安内者(あんないしや)なれはわか([そら])にゝけ入ぬゐ中
04 のねすみはもとより無安内(むあんない)の事なれはあはてさは
05 きてかくれ所もなくからうして命計(いのちはかり)たすかりける
06 その(のち)ゐなかの(ねすみ)さんくわいして(この)よしをかた
07 るやう御(へん)は宮古をいみしき事のみありとの(たま)
08 とたゝいまのきつかひ一()はくはつといひつへく
09 候田舎(いなか)にては事たらぬことも侍れ共かゝるきつ
10 かひなしとなん申けるそのことくいやしき物
11 はかみつかたの人にともなふ事なかれもししゐ

【イソホ 中 十九】

12 てこれとともなふときはいたつかはしきことのみ
13 にあらすたちまちわさはひ出来(しゆつらい)すへしかひんのた
14 のしむものは萬事(はんし)かへつて満足(まんそく)すとみえたりかる
15 か(ゆへ)にことわさにいはくひんらくとこそいひ侍き
16    十九  きつねとわしの事
17 ある([と]き)わし我子(わかこ)のえしきとなさんかため(きつね)()
18 うはひとつてとひさりぬきつね天にあふき()にふ
19 してなけきかなしむといへともそのかひなしきつ
20 ね心に思ふやういかさまにもたかのあたには(けむ)
21 しく事なしとて(しは)といふ物をわしのすのもとに
22 あつめて()をなんつけけれは(わし)()ほのをのうちに
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