古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 加奈しむ阿利さ満(まこと)に阿者れにみえ遣流そ能時鷲(とき王し)
02 ()多ひ可那しめ共可ひなしつ井耳や幾於とさ連
03 てたちまち幾徒年の多め尓其子(そのこ)をくら八流そ能こ
04 とく当座我([と]うさ王可)可川て奈れ八とてしもさ満のものにあ多
05 をなしをく事な可連人の(おもい)ひの徒も利ぬ連八つ井
06 尓はい川く尓可の可流へ幾た可支堤もあ利乃阿な
07 よ利具津連八しむる登なんいひ介流
08    二十  王し登加多津ふ利乃事
09 有時(あるとき)王し可多津ふ利をくら者八やと於もひけ連と
10 い可んとも世ん事を志ら須思ひわつらふ所尓(から春)
11 (まいり)多八らよ利すゝみ(いて)て申介流八此可多つふ利越

【イソホ 中 二十】

12 本路本さん事いと屋須支事尓てこそ侍(王可)申へ支
13 やうにし(たま)ひて(のち)(王連)其半分(その[者]んぶん)をあ多へたまはゝ
14 於しへ(たてま川)らんといふ(王し)うけ加うてその(ゆへ)をとふ尓
15 可らす申介流八可能可多つふ里を徒可みあ可里高
16 き所よ利於とし(たま)はゝそ能から多ちまちにく多け
17 なんといふあん能古とく志侍介れ八た屋須具とつて
18 古連をくふ楚乃古とくたとひ遣んもん可うけの人
19 (奈り)共王可心越本しゐまゝに世須ちしや乃於しへ
20 尓志多可ふへしそ能ゆへ八王しと可ら須をくら
21 へん尓そのとくなと可八まさ流へ幾な連とも可多
22 津ふ里乃志者さ尓於ゐては可らすも川とも古連を
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 かなしむありさま(まこと)にあはれにみえけるその時鷲(ときわし)
02 ()たひかなしめ共かひなしつゐにやきおとされ
03 てたちまちきつねのために其子(そのこ)をくらはるそのこ
04 とく当座我([と]うさわか)かつてなれはとてしもさまのものにあた
05 をなしをく事なかれ人の(おもい)ひのつもりぬれはつゐ
06 にはいつくにかのかるへきたかき堤もありのあな
07 よりくつれはしむるとなんいひける
08    二十  わしとかたつふりの事
09 有時(あるとき)わしかたつふりをくらははやとおもひけれと
10 いかんともせん事をしらす思ひわつらふ所に(からす)
11 (まいり)たはらよりすゝみ(いて)て申けるは此かたつふりを

【イソホ 中 二十】

12 ほろほさん事いとやすき事にてこそ侍(わか)申へき
13 やうにし(たま)ひて(のち)(われ)其半分(そのはんぶん)をあたへたまはゝ
14 おしへ(たてまつ)らんといふ(わし)うけかうてその(ゆへ)をとふに
15 からす申けるはかのかたつふりをつかみあかり高
16 き所よりおとし(たま)はゝそのからたちまちにくたけ
17 なんといふあんのことくし侍けれはたやすくとつて
18 これをくふそのことくたとひけんもんかうけの人
19 (なり)共わか心をほしゐまゝにせすちしやのおしへ
20 にしたかふへしそのゆへはわしとからすをくら
21 へんにそのとくなとかはまさるへきなれともかた
22 つふりのしはさにおゐてはからすもつともこれを
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