古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 えたる事尓ふ連て古と/\に人耳とふ遍し
02    廿一  可ら須ときつ年の事
03 あ流とき(きつね)えしきをもとめ可年てこゝ可しこさ満
04 よふ所尓(から春)志ゝむらをく王へて()能上尓於連利き
05 つ年心尓思ふやうわ連此志ゝむらをとら満本し具
06 於本衣てから須の居介流木乃もと尓立よ利い可尓
07 御辺御身八よ路津乃鳥の中尓すく連てうつくし具
08 みえ佐世於八しま須志可利とい遍ともすこし事
09 た利たま八怒こ登ゝては御(こへ)乃者奈こえ丹こそ
10 侍連たゝしこの程世上に申志は御(こへ)も古と
11 乃外尓よくわ多ら世給ふなと申て古そ候へ阿八連

【イソホ 中 廿一】

12 一ふしき可満本志う古そ侍連と申介れ八可ら須此
13 儀を誠と古ゝ路へても能古とにさら八こゑをい多
14 さんとて口を者多け遣るひま尓終耳志ゝむらを
15 於としぬきつ年是をとつて尓け去ぬそ能古とく
16 人い可尓本むるといふともい佐ゝ可満古と登思ふ
17 へ加ら須もしこ能事を春こしも志ん世はまんき
18 出来世ん事う多可ひ奈し人乃本めん時八徒しん
19 て奈越へ利く多流へし
20    廿二  む満といぬとの事
21 あ流人ゑ乃こをいとい多八利遣る尓やそ能主人外
22 よ利かへ利介流とき可能え乃こそのひさにの本利
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 えたる事にふれてこと/\に人にとふへし
02    廿一  からすときつねの事
03 あるとき(きつね)えしきをもとめかねてこゝかしこさま
04 よふ所に(からす)しゝむらをくわへて()の上におれりき
05 つね心に思ふやうわれ此しゝむらをとらまほしく
06 おほえてからすの居ける木のもとに立よりいかに
07 御辺御身はよろつの鳥の中にすくれてうつくしく
08 みえさせおはしますしかりといへともすこし事
09 たりたまはぬことゝては御(こへ)のはなこえにこそ
10 侍れたゝしこの程世上に申しは御(こへ)もこと
11 の外によくわたらせ給ふなと申てこそ候へあはれ

【イソホ 中 廿一】

12 一ふしきかまほしうこそ侍れと申けれはからす此
13 儀を誠とこゝろへてものことにさらはこゑをいた
14 さんとて口をはたけけるひまに終にしゝむらを
15 おとしぬきつね是をとつてにけ去ぬそのことく
16 人いかにほむるといふともいさゝかまことと思ふ
17 へからすもしこの事をすこしもしんせはまんき
18 出来せん事うたかひなし人のほめん時はつしん
19 てなをへりくたるへし
20    廿二  むまといぬとの事
21 ある人ゑのこをいといたはりけるにやその主人外
22    よりかへりけるときかのえのこそのひさにのほり
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