古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01　奈し介流されとも無心乃柱奈れ八終尓あさ気つて各 02　此上尓とひあか利又天道尓あふ支介流八主人八心 03　なき木也同八心あらん物を多へ可しといの利介れ八 04　尓くひしや徒者ら可物こ能三可那とてこのたひ八 05　とひを主人とあ多へ給ふ主君丹よて蛙可能は志ら 06　乃上にあ可累時八とひ是をも徒天ゑ志きと須其時 07　蛙ち多ひこうく王いす連共可ひ奈しそ能古と具人 08　八たゝ王可身尓あ多八怒事を祢可ふ事な可れ初(者[新]め) 09　よ利人尓志多可ふも乃ゝ今さらひと利身とならん 10　もよしな支事也又ちゆうに有介流人の志ゆ志ん 11　をたのむもひ可事な利たゝそれ／＼にあたる事 【イソホ　中　廿五】 12　を徒とむへ幾事毛つ八らな利 13　　　　廿六　　登ひと鳩能事 14　あ流とき者とゝ登ひとならひゐ介流所にとひ此 15　八とを阿奈と徒て屋ゝも春れ八えし幾と世んと春 16　そ能者と世んき評定して王し乃もと尓遊きて申 17　遣る八とひと云下せんのふ多う仁有屋々も春連八 18　わ連ら尓こめ見世可本奈利い満よ利以後そ能ふ流 19　まひをなさぬやう尓者可らひ給はゝし由君とあふ 20　支奉らん登いひけ連八鷲屋須くうけ可川て八登 21　を一と丹めしよ世可多八しにねちこ路しぬその 22　乃こ流者と申介流八古連人の志わさにあら須わ連 23　と王可身をあやま津な利王しの八可らひたまふ所

古活字版 伊曽保物語　現字体仮名 01　なしけるされとも無心の柱なれは終にあさけつて各 02　此上にとひあかり又天道にあふきけるは主人は心 03　なき木也同は心あらん物をたへかしといのりけれは 04　にくひしやつはらか物このみかなとてこのたひは 05　とひを主人とあたへ給ふ主君によて蛙かのはしら 06　の上にあかる時はとひ是をもつてゑしきとす其時 07　蛙ちたひこうくわいすれ共かひなしそのことく人 08　はたゝわか身にあたはぬ事をねかふ事なかれ初(はしめ) 09　より人にしたかふものゝ今さらひとり身とならん 10　もよしなき事也又ちゆうに有ける人のしゆしん 11　をたのむもひか事なりたゝそれ／＼にあたる事 【イソホ　中　廿五】 12　をつとむへき事もつはらなり 13　　　　廿六　　とひと鳩の事 14　あるときはとゝとひとならひゐける所にとひ此 15　はとをあなとつてやゝもすれはえしきとせんとす 16　そのはとせんき評定してわしのもとにゆきて申 17　けるはとひと云下せんのふたう仁有やゝもすれは 18　われらにこめみせかほなりいまより以後そのふる 19　まひをなさぬやうにはからひ給はゝしゆ君とあふ 20　き奉らんといひけれは鷲やすくうけかつてはと 21　を一とにめしよせかたはしにねちころしぬその 22　のこるはと申けるはこれ人のしわさにあらすわれ 23　とわか身をあやまつなりわしのはからひたまふ所

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