古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 もと乃春可多をあら八須丹よてち志よくをう具る 02 事さ多まれ流儀な利悪人として一たん善人のふ流 03 まひをなせとも終に王可本しやうをあら八須物也 04 古連を於もへ 05 廿八 者い登あ利との事 06 あ流時はいあ利にむ可川て本こ利介る八い可耳 07 あ利との徒志んて承八連わ連本とく王保うい三し 08 幾物八世尓有まし其ゆへ八天道に奉るあ流ひ八国 09 王にそな八流物もま津わ連さ支耳奈め古ゝ路む 10 志可能三なら須百 11 それ春本しゐまゝにとひあ可里候わとの者ら可有 【イソホ 中 廿七】 12 さ満八あ川八連津たなき阿利さ満とそわらひ侍利 13 きあ利答云も川とも御辺八さやう尓こそめてたく 14 わ多ら世給へ但世丹佐多し候八御辺本と人耳 15 きら八流ゝもの奈しさら者かそ者ちそなと乃やう 16 尓可ひ/\しくあ多をもなさて屋ゝも春れ者人尓 17 こ路さ流し可乃三なら須春過夏さ利て秋風立ぬる 18 比八やう屋く徒者さをたゝき可しらをなてゝ手を 19 するさ満な利あきふ可くなるに志多可津てつ者さ 20 よ利こしぬ介ていと見くるし支さ満とそ申つ多へ 21 介流王可身八つたな支も能奈れとも者流あ幾乃う 22 徒るをも志ら須ゆた可尓くらし侍る奈利みた利 23 尓人をあなつ里給ふ物可奈とはちしめられてたち |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 もとのすかたをあらはすによてちしよくをうくる 02 事さたまれる儀なり悪人として一たん善人のふる 03 まひをなせとも終にわかほしやうをあらはす物也 04 これをおもへ 05 廿八 はいとありとの事 06 ある時はいありにむかつてほこりけるはいかに 07 ありとのつしんて承はれわれほとくわほういみし 08 き物は世に有まし其ゆへは天道に奉るあるひは国 09 王にそなはる物もまつわれさきになめこゝろむ 10 しかのみならす百 11 それすほしゐまゝにとひあかり候わとのはらか有 【イソホ 中 廿七】 12 さまはあつはれつたなきありさまとそわらひ侍り 13 きあり答云もつとも御辺はさやうにこそめてたく 14 わたらせ給へ但世にさたし候は御辺ほと人に 15 きらはるゝものなしさらはかそはちそなとのやう 16 にかひ/\しくあたをもなさてやゝもすれは人に 17 ころさるしかのみならす春過夏さりて秋風立ぬる 18 比はやうやくつはさをたゝきかしらをなてゝ手を 19 するさまなりあきふかくなるにしたかつてつはさ 20 よりこしぬけていとみくるしきさまとそ申つたへ 21 けるわか身はつたなきものなれともはるあきのう 22 つるをもしらすゆたかにくらし侍るなりみたり 23 に人をあなつり給ふ物かなとはちしめられてたち |
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