古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 とつ年に於もへ
02    丗二  むまと路者の事
03 あ流時能馬能可いく於ゐてそ能主を乃世てと越里
04 介流可多八らに路者一ひ支行あひた利可能む満
05 い可川て云ろはな尓とて礼拝世ぬ楚汝をふ三こ路
06 さん毛い登屋須支事奈れとも汝ら可古ときの物
07 八志多可へても事乃数にならぬ八とてそこを過
08 ぬ其後何登可志多里介ん可能む満二徒の足をふ三
09 於徒てな尓乃用尓も立ぬやうも奈し古連耳よて
10 と三ん乃手尓わ多利侍利支い屋しき志津の屋耳
11 徒可ひ遣る奈らひふんとをお本せてひきあ利きぬ

【イソホ 中 丗一】

12 そ能馬のさ満もや世於と路へあ流可奈支可能春可
13 た尓な利侍利ぬあ流ときこのむまふんとをせ於ふ
14 てとを利介累に(く[多]ん)[驢]()()行阿ひ介利可能路は津 
15  具/\と此むま越見てさても/\御辺八い川そや
16 わ連らをのゝ志利給ふく王う遣んのむ満尓てわ多
17 ら世たま八須やな尓として可八可ゝ累あさまし起
18 春可多となつて加本といやしきふんとをは於い
19 給ふそ我いやしくす三奈れ候へともいまたか可流
20 ふんとを八於八須い津そや乃よ幾可いく共八い津
21 具尓を可世たまふそ登者ちしめ介れ八返事もなふ
22 て尓けさ利ぬそ能古とく人の<世>耳あつてた可支
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 とつねにおもへ
02    丗二  むまとろはの事
03 ある時能馬能かいくおゐてその主をのせてとをり
04 けるかたはらにろは一ひき行あひたりかのむま
05 いかつて云ろはなにとて礼拝せぬそ汝をふみころ
06 さんもいとやすき事なれとも汝らかこときの物
07 はしたかへても事の数にならぬはとてそこを過
08 ぬ其後何とかしたりけんかのむま二つの足をふみ
09 おつてなにの用にも立ぬやうもなしこれによて
10 とみんの手にわたり侍りきいやしきしつのやに
11 つかひけるならひふんとをおほせてひきありきぬ

【イソホ 中 丗一】

12 その馬のさまもやせおとろへあるかなきかのすか
13 たになり侍りぬあるときこのむまふんとをせおふ
14 てとをりけるに(く[た]ん)[驢]()()行あひけりかのろはつ 
15  く/\と此むまを見てさても/\御辺はいつそや
16 われらをのゝしり給ふくわうけんのむまにてわた
17 らせたまはすやなにとしてかはかゝるあさましき
18 すかたとなつてかほといやしきふんとをはおい
19 給ふそ我いやしくすみなれ候へともいまたかかる
20 ふんとをはおはすいつそやのよきかいく共はいつ
21 くにをかせたまふそとはちしめけれは返事もなふ
22 てにけさりぬそのことく人の世にあつてたかき
注: 中31.14 [驢]は「馬」偏に「戸」

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