古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 あ流とき庭鳥そ能尓出てえし幾をもとむる所耳 02 き徒年古連をくら者八やと思ひま津者可利古とを 03 めくらして申介累八い可尓庭鳥との御辺乃ちゝこ 04 とは志多しく申承候ぬこの後八御辺とも申うけ 05 たま八らめといひ介れ八尓はと利満古と可奈と思ふ 06 所尓きつ年申介流八さても御辺のちゝ子八御声 07 のよ可んなるそ阿八連一ふしうたひ候へ可し聞侍 08 らんと云尓はと利本めあけられて須て尓う多八ん 09 としてめをふさ支くひをさしのへ遣る所をしやか 10 志とく王へて八し流本とに庭鳥の鳴声をきゝ 11 徒遣て主於つ可けてわ可尓は鳥そ登さけひけ連八 【イソホ 下 三】 12 きつ年をた者可利遣る八い可尓き徒ねとのあのいや 13 しき物のふんとして我尓はと利と申候尓御辺の 14 尓は鳥尓てこそあ連と返答し給へといひ介れ八 15 き津年介尓毛とやおもひ遣んそ能尓八と里をさし 16 者奈し跡をみ可へ累ひまに尓はと里春て尓木尓 17 の本連八き津祢於ほ支尓きやうてんしてむ奈しく 18 山へそ可へ利介流其ことく人可ものをいへと於し 19 ゆ連八とて志あんも世須あはてゝ物を云へ可ら須 20 可能き津ね可尓はと利をと里そこ奈ひ介流も思案 21 奈け尓物をいひ介流ゆへ耳そ 22 四 多つと人の事 |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 あるとき庭鳥そのに出てえしきをもとむる所に 02 きつねこれをくらははやと思ひまつはかりことを 03 めくらして申けるはいかに庭鳥との御辺のちゝこ 04 とはしたしく申承候ぬこの後は御辺とも申うけ 05 たまはらめといひけれはにはとりまことかなと思ふ 06 所にきつね申けるはさても御辺のちゝ子は御声 07 のよかんなるそあはれ一ふしうたひ候へかし聞侍 08 らんと云にはとりほめあけられてすてにうたはん 09 としてめをふさきくひをさしのへける所をしやか 10 しとくわへてはしるほとに庭鳥の鳴声をきゝ 11 つけて主おつかけてわかには鳥そとさけひけれは 【イソホ 下 三】 12 きつねをたはかりけるはいかにきつねとのあのいや 13 しき物のふんとして我にはとりと申候に御辺の 14 には鳥にてこそあれと返答し給へといひけれは 15 きつねけにもとやおもひけんそのにはとりをさし 16 はなし跡をみかへるひまににはとりすてに木に 17 のほれはきつねおほきにきやうてんしてむなしく 18 山へそかへりける其ことく人かものをいへとおし 19 ゆれはとてしあんもせすあはてゝ物を云へからす 20 かのきつねかにはとりをとりそこなひけるも思案 21 なけに物をいひけるゆへにそ 22 四 たつと人の事 |
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