古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01　阿なかち鳥乃をしへたる尓も有へ可ら須人八け多 02　も能尓毛をと流と云事を知しめん可多めと可や 03　　　　丗二　　徒ると狐乃事 04　あ流田地尓徒るえしきをもとめてゐ多利志丹古老 05　乃きつ年可連を見てた者可ら者やと思ひてそは尓 06　近付て云い可尓鶴殿御辺八何事を可尋たまへ累 07　若ともしく侍ら八王可たく所へき多ら世よめつら 08　し支物あ多へんといとむつまし具か多らひ介れ八 09　徒るえた利可しこし登よ路こひて同心春きつ年 10　いそ幾八し里可へ徒てかゆ乃やうなる志よく物を 11　あさき可奈者ちに入て徒る耳む可川て以ふやう 【イソホ　下　丗六】 12　御辺八可多支物をきらひ給ふなれ八わさとかゆを 13　こそとて佐ゝ気け連八徒る件乃奈可き八し尓てく 14　八ん／＼とす連とかな八され八きつ年古連を見て 15　御辺八ふ志よく耳みえた利かゝ流ちんふ津をむ 16　奈しく春てんよ利八我尓給八連とて見奈をの連可 17　と利くらいてきつく王い成とあさけ連八津流者奈 18　八多む祢ん尓思ひてい可さ満尓も此返報をせ八や 19　と於もひて可へ利し可屋ゝ本と経て徒累具たんの 20　き徒年にあひていふやう我只今めつらし支志よく 21　物をまふけた利来里て志よくし給へ可しとすゝ 22　めけ連者きつね春者や世んとの返報かとて徒流乃

古活字版 伊曽保物語　現字体仮名 01　あなかち鳥のをしへたるにも有へからす人はけた 02　ものにもをとると云事を知しめんかためとかや 03　　　　丗二　　つると狐の事 04　ある田地につるえしきをもとめてゐたりしに古老 05　のきつねかれを見てたはからはやと思ひてそはに 06　近付て云いかに鶴殿御辺は何事をか尋たまへる 07　若ともしく侍らはわかたく所へきたらせよめつら 08　しき物あたへんといとむつましくかたらひけれは 09　つるえたりかしこしとよろこひて同心すきつね 10　いそきはしりかへつてかゆのやうなるしよく物を 11　あさきかなはちに入てつるにむかつていふやう 【イソホ　下　丗六】 12　御辺はかたき物をきらひ給ふなれはわさとかゆを 13　こそとてさゝけけれはつる件のなかきはしにてく 14　はん／＼とすれとかなはされはきつねこれを見て 15　御辺はふしよくにみえたりかゝるちんふつをむ 16　なしくすてんよりは我に給はれとてみなをのれか 17　とりくらいてきつくわい成とあさけれはつるはな 18　はたむねんに思ひていかさまにも此返報をせはや 19　とおもひてかへりしかやゝほと経てつるくたんの 20　きつねにあひていふやう我只今めつらしきしよく 21　物をまふけたり来りてしよくし給へかしとすゝ 22　めけれはきつねすはやせんとの返報かとてつるの

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