古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 たく所丹い多里介利そ能とき鶴口の本そ支入物に 02 尓本ひよきくいものを入てき徒年能前尓於き侍利 03 介れ八狐是を見るよ利もこのましく思ひてい連物乃 04 満八利を可奈たこな多へめく里け連共可奈八さる 05 を徒る於可し乃さ満やと三て申介流八さても御 06 辺八を路可奈流人可那只今めし乃時分なる尓い可 07 てまひ於とられ遣る楚くゐ者多してこそ八ま八ん 08 春れいてくゐやう越於しえんとて件乃くち八しを 09 さしのへてとく/\具ゐ徒くし侍連者きつ年面 10 目うし奈ひて立さ利ぬ其古と具尓みた利耳人を 11 阿なとら八ひと又をの連をあなとるへし人を年ん 【イソホ 下 丗七】 12 こ路尓世は人又わ連を阿者れむも能な利古連耳 13 よつてい可本と毛人尓は阿なつら累ゝともわ連人 14 をあなと累事奈可連たとひを路可尓する共へ里 15 く多里て志多可八ん尓は志可しとみえ遣流也 16 丗三 三人よ幾中乃事 17 あ流人三人の知音をもち介利一人をは我身よ利も 18 大切尓思ふひとな利今一人八我とひとし具思ふ也 19 いま一人八そ能次な利此三人とつ年尓ともなふ事 20 年久しあ流時そ能身尓難儀出来累時此ちゐん乃 21 もとに行て助成を可うむらんと須ま津我難儀を 22 た春け給へと申介れ八世ん可多なしとてい佐ゝ可も |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 たく所にいたりけりそのとき鶴口のほそき入物に 02 にほひよきくいものを入てきつねの前におき侍り 03 けれは狐是を見るよりもこのましく思ひていれ物の 04 まはりをかなたこなたへめくりけれ共かなはさる 05 をつるおかしのさまやとみて申けるはさても御 06 辺はをろかなる人かな只今めしの時分なるにいか 07 てまひおとられけるそくゐはたしてこそはまはん 08 すれいてくゐやうをおしえんとて件のくちはしを 09 さしのへてとく/\くゐつくし侍れはきつね面 10 目うしなひて立さりぬ其ことくにみたりに人を 11 あなとらはひと又をのれをあなとるへし人をねん 【イソホ 下 丗七】 12 ころにせは人又われをあはれむものなりこれに 13 よつていかほとも人にはあなつらるゝともわれ人 14 をあなとる事なかれたとひをろかにする共へり 15 くたりてしたかはんにはしかしとみえける也 16 丗三 三人よき中の事 17 ある人三人の知音をもちけり一人をは我身よりも 18 大切に思ふひとなり今一人は我とひとしく思ふ也 19 いま一人はその次なり此三人とつねにともなふ事 20 年久しある時その身に難儀出来る時此ちゐんの 21 もとに行て助成をかうむらんとすまつ我難儀を 22 たすけ給へと申けれはせんかたなしとていさゝかも |
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