万治版 伊曽保物語 変体仮名

01 い可川天。猿共(さるども)いくら毛むさふり可ゝ里て。(つゐ)尓可き(ころし)ぬ。そのごと
02 く。人能よに(ある)事毛。こひ遍川らふもの盤。い三しくさ可へ。春奈本
03 奈るもの八。可へ川天可゛いをうくる事あ利。この()をさと川天。春奈
04 本奈るうへ耳ま可せ天。くゆる事奈可れ

05     第四十 志ゝ王うとろ者との事

06 ある時ろ者゛。志ゝ王う尓(ゆき)あひ。い可に志ゝ王う。わ可゛山に(き多)利給へ。
07 威勢(ゐせい)(本と)を見せ万いらせんといふ。志ゝ王う於可しと於もへど毛。
08 さらぬてい丹天とも奈ひ(ゆく)(や万)能可多八ら尓於ゐ天。ろ者゛於び多ゝ
09 志く者し里めぐ利遣れ者゛。(その)を登尓をそ連天。(きつ年)多ぬきぞ
10 奈どいふ物。古ゝ可しこよ利尓げさ里ぬ。ろ者゛志ゝ王う尓申遣る盤。
11 あ連見給へや志ゝ王う。可(本ど)めで多起いせい丹天(者んべ)ると本こ里
12 介れ八゛。志ゝ王うい可川天い者く。き川く王い奈利ろ者゛。王れ八(これ)志ゝ(王う)

    【伊曽保中      〇丗五終】

13 奈利。汝等(奈んぢら)可゛ごとくげらうの()として。びろうをふるまふこと。らう
14 せき奈りとて。いましめら連天万可里志利ぞく。其下(それげ)者い農
15 ()として。人とあらそふこと奈可れ。屋ゝも春れ八゛。王可゛()(本ど)
16 を可へ利見須゛して。人とあらそふ者て尓八。ち志゛よくをうくる物也。
17 ゆる可゛せ尓於もふ事奈可れ





18 伊曽保物語中終
万治版 伊曽保物語 現字体仮名

01 いかつて。猿共(さるども)いくらもむさふりかゝりて。(つゐ)にかき(ころし)ぬ。そのごと
02 く。人のよに(ある)事も。こひへつらふものは。いみしくさかへ。すなほ
03 なるものは。かへつてがいをうくる事あり。この()をさとつて。すな
04 ほなるうへにまかせて。くゆる事なかれ

05     第四十 しゝ王うとろはとの事

06 ある時ろば。しゝわうに(ゆき)あひ。いかにしゝわう。わが山に(きた)り給へ。
07 威勢(ゐせい)(ほと)を見せまいらせんといふ。しゝわうおかしとおもへども。
08 さらぬていにてともなひ(ゆく)(やま)のかたはらにおゐて。ろばおびたゝ
09 しくはしりめぐりければ。(その)をとにをそれて。(きつね)たぬきぞ
10 などいふ物。こゝかしこよりにげさりぬ。ろばしゝわうに申けるは。
11 あれ見給へやしゝわう。か(ほど)めでたきいせいにて(はんべ)るとほこり
12 ければ。しゝわういかつていはく。きつくわいなりろば。われは(これ)しゝ(わう)

    【伊曽保中      〇丗五終】

13 なり。汝等(なんぢら)がごとくげらうの()として。びろうをふるまふこと。らう
14 せきなりとて。いましめられてまかりしりぞく。其下(それげ)はいの
15 ()として。人とあらそふことなかれ。やゝもすれば。わが()(ほど)
16 をかへりみずして。人とあらそふはてには。ちじよくをうくる物也。
17 ゆるがせにおもふ事なかれ





18 伊曽保物語中終
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