ESOPONO FABVLAS.

 

ESOPONO FABVLAS.

490.
        Qitcuneto, yaguiu<no coto.                               13

  Qitcuneto, yaguiu< vo>qini caxxite, aru ygauano
nacaye tcuredatte itte, vomo>mamani no>de nochi,       15
agaro< yo<ga nacatta tocorode, xujuni xianuo xite
m(i)taredomo, bechini xo>yo<mo no<te, qitcune ya-
guiu<ni chicarauo soyete yu<ua: icani yaguiu<dono
voqizzucai aruna: ninintomoni tcutcugano< (a)garu mi-
chiuo tacumiidaita: mazzu gofen nobiagatte ma-             20
yeaxiuo ynocauani naguecaqe, caxirauomo mayeye
catamuqete gozare: soregaxisoreuo fumayete saqiye
aga(t)te, mata gofenuomo fiqiagueo>zuru to yu<: yaguiu<
conogui guenimoto rio>jo(<) xite, sono yu< mamani           24

491.
xitareba, qitcune tonde yuguetano vchini tobiagatte
fane bichitaite yorocobi, amarino vrexisani yaguiu<no
cotouoba fatato vchivasureta. Yaguiu<ua itcu fiqiaguru
zoto matedomo matedomo, qitcuneua xiranucauo
xite yruni yotte, yaguiu< nonoxitte yu<ua: ya(/) qixoua       05
yacusocuua vasuretacato to>tareba, qitcune sonocoto
gia: gofenno votogaini aru figueno cazu fodo, atama
ni chiyega aru naraba, yenriomo no< ygauano nacayeua
fairumaizoto yu<te azaqetta.

        Xitagocoro.                                                         10

  Caxicoi fi(t)ono narainiua, mazzu cotouo fajimenu
mayeni sono vouariuo miru mono gia.                                12


エソポのハブラス2.30 (490.13--491.12)

キツネと、野牛のこと。

 キツネと、野牛 大きに渇して、ある井(いがわ)の中へ連れ立って入(い)って、思うままに飲うで後(のち)、上がらう様がなかったところで、種々(しゅじゅ)に思案をしてみたれども、別(べち)にしょう様も無うて、キツネ 野牛に力を添えて言うは、「如何に野牛殿 お気遣いあるな、二人(ににん)ともに恙無う上がる道を巧み出(いだ)いた、まづ御辺(ごへん) 伸び上がって前脚を井の側(かわ)に投げ掛け、頭(かしら)をも前へ傾けてござれ、某(それがし) それを踏まえて先へ上がって、また御辺をも引き上ぎょうずる」と言う、野牛「この儀 げにも」と了承(りょうじょう)して、その言うままに/したれば、キツネ跳んで井桁(ゆげた)の内に飛び上がって跳ねびちたいて喜び、余りの嬉しさに野牛のことをば はたとうち忘れた。野牛は いつ引き上ぐるぞ と待てども待てども、キツネは知らぬ顔しているによって、野牛 ののしって言うは、「やあ 貴所(きしょ)は約束は忘れたか」と問うたれば、キツネ「そのことぢゃ、御辺の頤(おとがい)にある髭の数ほど、頭(あたま)に知恵があるならば、遠慮も無う井(いがわ)の中へは入(はい)るまいぞ」と言うて嘲った。

      下心。

 賢い人の習いには、まづ事を始めぬ前にその終わりを見るものぢゃ。


490.24 rio>jo(<) りょうじゃう → 「rio<xo< りゃうしゃう」又は 「rio>jo(>) りょうじょう」の誤りか?



・類話などについて

タウンゼント 32.キツネとヤギ 

 ある日のこと、一匹のキツネが、深い井戸に落ちて出られなくなってしまった。そこへ、ヤギが通りかかった。ヤギは喉が渇いていたので、キツネを見ると、その水は美味しいかと尋ねた。
キツネは、自分の窮状を隠し、この水はとても美味しいと褒めちぎり、降りてくるようにと促した。
 ヤギは、渇きを癒すことばかりに気を取られ、深く考えもせずに深い井戸へと飛び降りた。ヤギが水を飲みはじめると、キツネは、自分たちの窮状をヤギに打ち明け、そして、二人して抜け出す方策を語って聞かせた。
「いいかい、君が、前足を壁に掛けて、角でしっかりと支えてくれたら、僕は君の背中を駆け上って、ここから抜け出すから……そしたら、君を助けてあげるよ」
 こうして、キツネは、ヤギの背中を跳躍し、井戸から抜け出した。しかしキツネは、そのまま井戸を後にした。
 ヤギが、それでは約束が違うと叫んだ。するとキツネは振り向いてこう言った。
「ヤギさん、あんたは老いぼれて、もうろくしたようだね。もしあんたの頭に、その、あごひげ程の脳味噌が詰まっていたなら・・・抜け出せるかどうかも確かめずに、降りては行かなかっただろうがね・・・」

転ばぬ先の杖

Perry9 Chambry40 Phaedrus4.9 Caxton6.3 伊曽保3.14 Hou82 Charles33 La Fontaine3.5
J.index581,582 TMI.K652 Types 31, 127B*  (Aesop)


ペリー408 井戸の中の兎と狐 中務哲郎訳 岩波文庫

 兎が喉が渇いたので、水を飲みに井戸に降りて行き、心ゆくまで飲んだ。さて、そこから上がろうとしたが、登る手だてがなく、しょげかえっていた。狐がやって来て、この兎を見て言うには、「大失敗だな。どうしたら井戸から上がれるかをまず考えて、それからそこへ降りて行くべきだったのだ」
 人に相談をせず、独り善がりの行動に走る人を、この話は叱っている。
(Syntipas)

日本昔話通観インデックス 581 古井戸の狐

古井戸に落ちた狐が、足を痛めた兎に、冷たい水で痛めた足を治している、とだますと、兎はつるべ伝いに降りてくる。狐がつるべで上り、喜んでおどり上がって石につまずき、つるべにつかまって降りると、兎はそのつるべで上がってくる。狐は人間に捕らわれ、狐汁にされる。

日本昔話通観インデックス 582 狸と獅

獅子が狸に、お前の知恵は二つだがおれの知恵は九十九もある、といばっていて、そろって落とし穴に落ちる。狸が、あとですくい上げてやる、と獅子をだましててつだわせて先に穴から出、二つの知恵のおれでも出たのだから、九十九の知恵のお前は自力で出よ、と言って去る。

カリーラとディムナ P8 盲人と目明きの二人の男  菊池淑子訳 平凡社

盲人と目明きの二人の男が井戸に落ちて死に、目明きの方も助からなかった場合・・・・・井戸の中では二人とも同じ盲目の状態にあるのだから・・・・・良識ある人の目には、盲人ではなく目明きこそいっそう弁解の余地なしと映るのと同様である。

Odo of Cheriton29 狐と狼と井戸汲みバケツ

ある狐が井戸汲みバケツに乗って井戸の底へと降りていったことがあった。そこへ狼がやってきて、そんなところで何をしているのかと尋ねた。
「おお兄弟よ」その狐は答えて、「ここで、魚をたくさんとっているのです。それも、でかいやつばかりだよ。君も僕と一緒にこいつらを捕まえたらどうだい」
すると狼のイゼングリムが言った。
「どうやってそこへ降りて行けばいいのだ?」
すると我らがちび狐が答えた。
「頭の上に、バケツがあるでしょう? その中に入って降りてくればいいよ」
この井戸には、二つのバケツがついていて、一つが上がると一方が下がるというような仕組みになっていた。こうして、狼は上にあったバケツの中に収まると、井戸の中へと降りて行った。一方ちび狐はもう一方のバケツに乗り込み上って行った。そして、両者が途中ですれ違った時、狼が言った。
「やあ、兄弟、君はどこへ行くんだね?」
すると狐が答えた。
「僕は十分に食べたので、上に戻るんだよ。さあ、下へお行き、素晴らしいものが見つかるから」
こうして、間抜けな狼は井戸の底へと降りて行った。しかし、水以外は何も見つからなかった。こうして、朝になり、農夫たちがやって来て、狼を引っ張り出すと、殴って殺した。
このちび狐は、人間に「私の許へ降りおいで、罪の井戸の中へ降りておいで、そうすれば、珍味や色々よいものがたくさん見つかるから」と語りかける悪魔をあらわしている。愚か者は盲従して罪の井戸へと降りて行く。しかし、そこでは、滋養のあるものなど何も見つからない。そうこうしているうちに、敵がやって来てこの不信心の男を引きずり出し、彼を打ち殺すのだ。悪魔はアダムに沢山のよいものを約束した。しかし、実際には、彼は沢山の悪いものを与えたのだ。
Perry593    

知恵の教え23 農夫が狼にやると約束した牛と狐の裁決
Caxton 8.9
La Fontaine 11.6
狐物語13 ルナールがイザングランを井戸にはめた話
Robert Henryson10 月影で狼を騙した狐の物語
狐ラインケ4.02
ラシ・ユダヤ律法の解説(狐物語の世界)p72
Uncle Remus16
ホイジンガ・中世の秋 『運命の車輪』

ヒートパデーシャ 1.134 楽しみ来らば享受せよ。/苦しみ来らば堪えよかし。/あたかも車のまわるごと、/苦楽はめぐるものなれば。

ギリシア・ローマ名言集 36  柳沼重剛偏 岩波文庫

人間の運命は車輪のようなもので、くるくると廻りつつ、同じ者がいつまでも幸運であることを許さぬものです。
ヘロドトス『歴史』第一巻207(松平千秋訳)

Ramaswami Raju 井戸の中のキツネ

 キツネは井戸に落ち、井戸の端から出ている根っ子につかまりなんとか、水から頭を出していた。すると、オオカミが通りかかり、キツネを見て言った。
「やあ、レナード。井戸に落っこちたのか!」

「いや、ちょっと用があって、下りたのさ」
 キツネが言った。

「どういうこった?」
 オオカミが言った。

「どういうことって、今は、国中旱魃だろう。この井戸は、ここら一帯に住む数千人の乾きを癒す唯一の水なんだ。皆は会議を開いて、俺に井戸を守ってくれるようにと要請したんだよ。それで、俺は皆のために、こうして守っているんだよ」

「報酬はなんなんだ?」
 オオカミが尋ねた。

「恩給がもらえるのさ。だから、毎日餌を探し回る必要がなくなるのさ。その他、与えられる特権は数知れず。それに、一日中ここにいなくてもいいんだ。実は、水を守っているという秘密を、従兄弟に言ってあるので、時々代わってもらえるのさ。もちろん従兄弟も恩給はもらえるし、その他の特権だって手にすることができる。もうすぐ、従兄弟がやってくるはずさ」

「なあ、レナード、俺にお前の代わりができまいか? 俺は恩給や特権が欲しいのだ。お前も知っているだろう俺の窮状を・・・特に冬場はひどいものだ」

「もちろん構わないさ。でも、長いロープを持ってきてくれなきゃいけないよ。俺が出て、君が入るためにな」
 こうしてオオカミはロープを手に入れた。キツネは井戸から上がり、オオカミは井戸に降りた。この時、キツネは笑いながらこう言った。

「御大将。あんたは、この世の終わりか、井戸の持ち主が、お前の死体を投げ捨てるまで、そこにいるこったな」
 キツネはこう言うとその場を後にした。

Ernest Griset p126 井戸の中の狐

 狐は不運にも井戸に落ち、一生懸命、水の上に頭を出しているのが精一杯という状態だった。狐はもがいているうちに、井戸の側面に爪をひっかけた。そこへ、狼がやってきて中をのぞき込んだ。
「お−い兄弟。何をしているんだ」狼が心配を装って言った。「そこにいるのは、本当にお前なのか? そんな所にいたら寒いだろうに! どのくらいそこにいるんだ? どうして落っこちたんだ? 俺はお前のその姿を見て胸が痛むよ。どうしてそうなったか話してみろよ」
「君の憐れみよりも、ロープの方がずうっと俺の役に立つ」狐が答えた。「そいつがあれば、もう一度、大地を踏みしめることができるのだからな。そうしたら、君に全てを語って聞かせるよ」

Francis Barlow 8  新訳伊蘇普物語(上田万年) 9 


         INDEX  BACK  NEXT
 
                    著作権はhanamaが有します。   




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送