古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 よき夢見多らん物此佐可奈越く八んとな利さ流に
02 よ徒天三人同枕にふし介利二人のさふらひ八前後
03 もしら須祢い利介れ八いそ本八すこしもまと路ま須
04 あ流すき満をう可ゝいてひ楚可尓於幾あ可利此さ
05 可奈をくい徒くして又同ことく尓まと路見介利志
06 八らくあ利て後ひと利乃侍於きあ可里今一人を於
07 こしてい者くそれ可し須て尓夢を加う無るそ能
08 ゆへ八天人二体阿まく多ら世給ひわ連をめしくし
09 て阿まのけらくを加うむると見しといふ今一人可
10 云やう我ゆめ者奈八多是に古とな利天朝二体我を
11 可い志屋くしてゐんへ流野へいた利ぬと見る其時

【イソホ 上 廿三】

12 両人世ん支して可能伊曽保を於こしけ連八祢いら
13 ぬいそ本可ゆめ乃佐めたる心ちして於と路く遣し
14 き尓申やう御辺たち八い可尓して可此所にき多里
15 給ふ楚佐もふ志ん奈る登申け連八両人の物あさ
16 王らつて云いそ保八何事をの給ふそ我この所を去
17 事奈し御辺登友尓まと路み介利王可ゆめ八さ多
18 ま利ぬ御辺の遊免八い可尓と問伊曽保答云御へん
19 八てん尓いた利給ぬ今一人八ゐんへ流野へ於ちぬ
20 二人な可らこの可い尓きたる事あるへ可ら須然
21 八さ可奈越於きて八な尓可八世んと於もひてそれ
22 可し古と/\く給八利ぬと夢尓見侍るといひて
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 よき夢見たらん物此さかなをくはんとなりさるに
02 よつて三人同枕にふしけり二人のさふらひは前後
03 もしらすねいりけれはいそほはすこしもまとろます
04 あるすきまをうかゝいてひそかにおきあかり此さ
05 かなをくいつくして又同ことくにまとろみけりし
06 はらくありて後ひとりの侍おきあかり今一人をお
07 こしていはくそれかしすてに夢をかうむるその
08 ゆへは天人二体あまくたらせ給ひわれをめしくし
09 てあまのけらくをかうむると見しといふ今一人か
10 云やう我ゆめはなはた是にことなり天朝二体我を
11 かいしやくしてゐんへる野へいたりぬと見る其時

【イソホ 上 廿三】

12 両人せんきしてかの伊曽保をおこしけれはねいら
13 ぬいそほかゆめのさめたる心ちしておとろくけし
14 きに申やう御辺たちはいかにしてか此所にきたり
15 給ふそさもふしんなると申けれは両人の物あさ
16 わらつて云いそ保は何事をの給ふそ我この所を去
17 事なし御辺と友にまとろみけりわかゆめはさた
18 まりぬ御辺のゆめはいかにと問伊曽保答云御へん
19 はてんにいたり給ぬ今一人はゐんへる野へおちぬ
20 二人なからこのかいにきたる事あるへからす然
21 はさかなをおきてはなにかはせんとおもひてそれ
22 かしこと/\く給はりぬと夢に見侍るといひて
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