古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 三人めしくしてさんといふ所尓なんなく行介利 02 其里丹於いて志屋ん登ゝいへ流屋むこと那支知者 03 のゆきあひ可能商人尓たつ年てい八く御辺乃めし 04 くし介流ものとも八な尓事を可八し侍るそ登 05 の多まへ八商人答云一人八琵琶を引介尓候と申 06 け連八加のしやんとすく尓二人のも能尓とひたま 07 者くめん/\八何事をし侍るそ登仰介れ八二人も路 08 とも耳答云あらゆ流本と乃事をは可多の古と 09 く志利侍ると申楚のゝち又いそ本尓汝八い可なる 10 物そ登とひ給へ八いそ本答云我八古連こ徒尓く也 11 と申介れ八我汝尓こ津尓くをとは春汝い川く尓 【イソホ 上 二】 12 て生連遣るそや登仰け連八いそ本答い者具わ連八 13 古連はゝ乃多いないよ利生連候と申汝にはゝ乃 14 たいない登八須汝可生連たる所八い徒くの国そと 15 仰介れ八伊曽保こ多へてい者くわ連八古連母乃う三 16 たる所尓て楚多ゝ里候と申そ能とき志やんと可連 17 加へん多う八たゝう本の嶋をめく流可ことしさて 18 汝八な尓事を可し里侍登とは世たまへ八いそ保 19 答云な尓古とをも志利侍らぬも能尓て候と申そ能 20 とき志やんと可さ祢てお保世遣る八人登して物 21 のわさなき事あ多八須なんちな尓乃ゆへ尓可志 22 わさな起やと於ほせけ連八い楚本こ多へて云わ連 |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 三人めしくしてさんといふ所になんなく行けり 02 其里においてしやんとゝいへるやむことなき知者 03 のゆきあひかの商人にたつねていはく御辺のめし 04 くしけるものともはなに事をかはし侍るそと 05 のたまへは商人答云一人は琵琶を引けに候と申 06 けれはかのしやんとすくに二人のものにとひたま 07 はくめん/\は何事をし侍るそと仰けれは二人もろ 08 ともに答云あらゆるほとの事をはかたのこと 09 くしり侍ると申そのゝち又いそほに汝はいかなる 10 物そととひ給へはいそほ答云我はこれこつにく也 11 と申けれは我汝にこつにくをとはす汝いつくに 【イソホ 上 二】 12 て生れけるそやと仰けれはいそほ答いはくわれは 13 これはゝのたいないより生れ候と申汝にはゝの 14 たいないとはす汝か生れたる所はいつくの国そと 15 仰けれは伊曽保こたへていはくわれはこれ母のうみ 16 たる所にてそたゝり候と申そのときしやんとかれ 17 かへんたうはたゝうほの嶋をめくるかことしさて 18 汝はなに事をかしり侍ととはせたまへはいそほ 19 答云なにことをもしり侍らぬものにて候と申その 20 ときしやんとかさねておほせけるは人として物 21 のわさなき事あたはすなんちなにのゆへにかし 22 わさなきやとおほせけれはいそほこたへて云われ |
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