古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01　あ流時志屋んといそ本をめしつ連むしよを春起さ 02　世給ふ丹閑多八ら尓く王ん加くあ利其めく利耳 03　七徒のもん字あ利ひと川尓は与婦多つ尓はたみつ 04　尓はあ四津尓は保五尓はみ六津尓八こなゝつ尓は 05　を是也いそ本志屋ん登耳申介流八殿八智者尓て 06　わ多ら世給へ八こ能もん字乃心を志ら世給ふやと 07　いふ志屋むと是八い尓しへ乃字な利世遍多た利時 08　うつ徒てい満乃人た屋須具志流事なしと仰け連 09　八いそ保あさ王らつてい八く此もんち乃こゝ路を申 10　あら八須に於ゐてはい可八可利の御保うひ尓可あ津 11　からんと申け連八志屋んと答云此心をあら八須尓 【イソホ　上　十】 12　於ゐてはふ多いの所をさしをくへしし可乃三なら 13　須もしこ能もんちの下にあらん物半分をあ多へん 14　登な利伊曽保申介累八第一によとは四徒といふ儀 15　な利　二にたとは{たからと}いふ儀な利　三にあとは有遍し 16　登可く儀奈利　四尓保と八本累遍しと云儀な利 17　六にこと八こ可ねと云儀な利　七尓をと八於くと 18　云儀な利と読てそ能下を本利て見連八もんち乃こ 19　とく阿ま多乃黄金あ利介利し屋んと古連を三て 20　よく年ん於こ里伊曽保尓屋くそく乃古とくあ多へ 21　須奈越そ能志多を本里て三れ八四方なる石尓五[門] 22　の文字あら八連た利ひと川尓八をふ多つ尓八こ三

古活字版 伊曽保物語　現字体仮名 01　ある時しやんといそほをめしつれむしよをすきさ 02　せ給ふにかたはらにくわんかくあり其めくりに 03　七つのもん字ありひとつにはよふたつにはたみつ 04　にはあ四つにはほ五にはみ六つにはこなゝつには 05　を是也いそほしやんとに申けるは殿は智者にて 06　わたら世給へはこのもん字の心をしらせ給ふやと 07　いふしやむと是はいにしへの字なり世へたたり時 08　うつつていまの人たやすくしる事なしと仰けれ 09　はいそほあさわらつていはく此もんちのこゝろを申 10　あらはすにおゐてはいかはかりの御ほうひにかあつ 11　からんと申けれはしやんと答云此心をあらはすに 【イソホ　上　十】 12　おゐてはふたいの所をさしをくへししかのみなら 13　すもしこのもんちの下にあらん物半分をあたへん 14　となり伊曽保申けるは第一によとは四つといふ儀 15　なり　二にたとは{たからと}いふ儀なり　三にあとは有へし 16　とかく儀なり　四にほとはほるへしと云儀なり 17　六にことはこかねと云儀なり　七にをとはおくと 18　云儀なりと読てその下をほりて見れはもんちのこ 19　とくあまたの黄金ありけりしやんとこれをみて 20　よくねんおこり伊曽保にやくそくのことくあたへ 21　すなをそのしたをほりてみれは四方なる石に五[門] 22　の文字あらはれたりひとつにはをふたつにはこ三

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