古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01 徒可満つ利候となん申介れ八むま志ゝ王う乃悪念を 02 さと徒て我もた者可ら八やと於もひ志ゝ王う尓む 03 かつて申介流楚毛/\御辺八うら山しくもい可 04 具をなら八勢給ふ物哉さい八ひわ可足にくゐ世を 05 ふ三たてゝわつらふな利御らんして多へ可し登 06 なんいひ介累師子王えた利と三んといふさら八 07 とて馬可多阿しをも多け介れ八しゝわうな尓こゝ路も 08 なくあをのきになつて徒め能うら越見る所をもと 09 よ利たく三し事奈れ八志たゝ可尓しゝわうのつら 10 を津ゝけさ満尓ふんた利介流さしもたけ支志ゝ王 11 もきをうし奈ひてをきもあ可ら須楚のひま尓馬八 【イソホ 中 廿九】 12 八流可尓可けさ利ぬそ能乃ち師子王者う/\と 13 於幾あ可利身ふ流ひしてひと利古とを申遣る八 14 よし奈支それ可し可者可利事尓て須て耳命を 15 うしな八んと須 16 加う婦る事古連むま乃わさ尓あら春たゝ天道の 17 御いましめ登そ於保衣介流楚乃古と具一さい乃人 18 間も志らぬ事を志利可本にふる満はゝたちまち 19 ち志よくをう遣ん事う多可ひなし志流事を志流 20 とも志らさ流事を八志ら須とせよゆる可世耳 21 思ふ事な可れ 22 丗一 志ゝわうと八須と流事 |
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名 01 つかまつり候となん申けれはむましゝわうの悪念を 02 さとつて我もたはからはやとおもひしゝわうにむ 03 かつて申けるそも/\御辺はうら山しくもいか 04 くをならはせ給ふ物哉さいはひわか足にくゐせを 05 ふみたてゝわつらふなり御らんしてたへかしと 06 なんいひける師子王えたりとみんといふさらは 07 とて馬かたあしをもたけけれはしゝわうなにこゝろも 08 なくあをのきになつてつめのうらを見る所をもと 09 よりたくみし事なれはしたゝかにしゝわうのつら 10 をつゝけさまにふんたりけるさしもたけきしゝ王 11 もきをうしなひてをきもあからすそのひまに馬は 【イソホ 中 廿九】 12 はるかにかけさりぬそののち師子王はう/\と 13 おきあかり身ふるひしてひとりことを申けるは 14 よしなきそれかしかはかり事にてすてに命を 15 うしなはんとす 16 かうふる事これむまのわさにあらすたゝ天道の 17 御いましめとそおほえけるそのことく一さいの人 18 間もしらぬ事をしりかほにふるまはゝたちまち 19 ちしよくをうけん事うたかひなししる事をしる 20 ともしらさる事をはしらすとせよゆるかせに 21 思ふ事なかれ 22 丗一 しゝわうとはすとる事 |
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