古活字版 伊曽保物語 変体仮名 01　あ流時師子わう其あしにくゐせを多て楚乃なんき 02　尓於よひ遣流時加奈し三の阿ま利八須と利の本と 03　里にち可徒く八須と流古連を於それて我羊をあ多 04　へて遣利師子王羊を於可さ須王可足を八須と利 05　乃前にもたく者須と利古連を心えてそのくゐせを 06　ぬいて薬を徒遣てあ多へぬそれよ利志ゝ王う山中 07　丹加く連ぬあるとき可能師子王可利にとら八連て 08　籠(ろう)耳入られ罪人をい連て是をくら八しむ又可能 09　者春と利そ能徒三あ流によて可能志ゝ路う丹をし 10　入志ゝ王うあへて古連を於可須可へ徒天涙をな可 11　いて可しこま利ぬ志者らくあ川て人々路うの内を 【イソホ　中　丗】 12　見るにさしも尓多け支しゝわう見ゝをた連ひさを 13　於津て可能者春と流をけいこ春ものゝ具をい連て 14　於可さんとする尓志ゝ王是を可奈く利春つ主此事 15　をきゝて汝な尓のゆへ尓可可くけ多も能尓阿者れ 16　まれ遣るそ登いひけ連八く多ん乃志さいを申あら 17　はす人々此由を可んしてかゝ流畜生尓至るまて人 18　乃恩を八報し遣流そやと可んし阿八連み介流 19　こ連尓よてしゝ王もは春と累をもゆるされぬ其こ 20　とく人として恩を志らぬ八ちく生尓もをと累物也 21　人耳をん越な春とき八てん多うこ連をうけ給ふ 22　な利い佐ゝ可能をんをも人尓請八こ連を本う世ん

古活字版 伊曽保物語　現字体仮名 01　ある時師子わう其あしにくゐせをたてそのなんき 02　におよひける時かなしみのあまりはすとりのほと 03　りにちかつくはすとるこれをおそれて我羊をあた 04　へてけり師子王羊をおかさすわか足をはすとり 05　の前にもたくはすとりこれを心えてそのくゐせを 06　ぬいて薬をつけてあたへぬそれよりしゝわう山中 07　にかくれぬあるときかの師子王かりにとらはれて 08　籠(ろう)に入られ罪人をいれて是をくらはしむ又かの 09　はすとりそのつみあるによてかのしゝろうにをし 10　入しゝわうあへてこれをおかすかへつて涙をなか 11　いてかしこまりぬしはらくあつて人々ろうの内を 【イソホ　中　丗】 12　見るにさしもにたけきしゝわうみゝをたれひさを 13　おつてかのはすとるをけいこすものゝくをいれて 14　おかさんとするにしゝ王是をかなくりすつ主此事 15　をきゝて汝なにのゆへにかかくけたものにあはれ 16　まれけるそといひけれはくたんのしさいを申あら 17　はす人々此由をかんしてかゝる畜生に至るまて人 18　の恩をは報しけるそやとかんしあはれみける 19　これによてしゝ王もはすとるをもゆるされぬ其こ 20　とく人として恩をしらぬはちく生にもをとる物也 21　人にをんをなすときはてんたうこれをうけ給ふ 22　なりいさゝかのをんをも人に請はこれをほうせん

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