古活字版 伊曽保物語 変体仮名

01 介利狼此由を見て是古そよ起ゑしき奈れく王八や
02 と心えて馬耳む可徒て申遣流八汝可子をはわ可
03 ゑし支と奈すへし心えよといひ介れ八馬こ多へて
04 云ともかく毛仰耳こそ八志多可八めとてゐ多利
05 遣る可馬狼に申介累八承候へはけきやう乃上手
06 と申わ連此本と足尓くいせをふ三たてゝ候へは
07 於それな可ら御め耳可け多しと申屋須き事と
08 いふ程にむま可多阿しをも多けて古連を見給へと
09 云け連八狼うちあふのひて見介流所をきしよ利
10 下にふ三於としわ可子を津連てかへ利遣利狼古連
11 を八事とも世須たゝ今こそ志遣ん須る共又古そ

【イソホ 下 九】

12 と思ひ可しこに可けめくる本と尓のへ尓野牛二疋
13 ゐた利狼古連を三て是古そと思ひ野牛にむ可つて
14 申介流八汝可う地一疋王可えし支にすへし
15 と申介れ八野牛徒志んて承とも可く毛尓て侍る奈利
16 古ゝに申へ幾子細あ利久しくあらそふ古と乃侍
17 連八御さい八んをも川て乃ち何共者可ら者世給へ
18 可しと申け連八お保可めな尓事そ登とふ野牛答云
19 此乃をふ多里あらそひ候但給ふへ幾人奈支によて
20 せう婦を徒遣可多具候志から須八わ連ら二ひ支む
21 可ひよ利御そは尓者志利き多里候へしとく八し里
22 つ支多るん物尓其理を付さ世給へと云とく/\と
古活字版 伊曽保物語 現字体仮名

01 けり狼此由を見て是こそよきゑしきなれくわはや
02 と心えて馬にむかつて申けるは汝か子をはわか
03 ゑしきとなすへし心えよといひけれは馬こたへて
04 云ともかくも仰にこそはしたかはめとてゐたり
05 けるか馬狼に申けるは承候へはけきやうの上手
06 と申われ此ほと足にくいせをふみたてゝ候へは
07 おそれなから御めにかけたしと申やすき事と
08 いふ程にむまかたあしをもたけてこれを見給へと
09 云けれは狼うちあふのひて見ける所をきしより
10 下にふみおとしわか子をつれてかへりけり狼これ
11 をは事ともせすたゝ今こそしけんする共又こそ

【イソホ 下 九】

12 と思ひかしこにかけめくるほとにのへに野牛二疋
13 ゐたり狼これをみて是こそと思ひ野牛にむかつて
14 申けるは汝かうち一疋わかえしきにすへし
15 と申けれは野牛つしんて承ともかくもにて侍るなり
16 こゝに申へき子細あり久しくあらそふことの侍
17 れは御さいはんをもつてのち何共はからはせ給へ
18 かしと申けれはおほかめなに事そととふ野牛答云
19 此のをふたりあらそひ候但給ふへき人なきによて
20 せうふをつけかたく候しからすはわれら二ひきむ
21 かひより御そはにはしりきたり候へしとくはしり
22 つきたるん物に其理を付させ給へと云とく/\と
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