ESOPONO FABVLAS.499. エソポのハブラス2.41 (499.15--500.06)カイルと、ネズミのこと。 頃は弥生下旬の頃ぢゃに、カイルと、ネズミ ある池の知行(ちぎょう)争いで矛盾(むじゅん)に及うだ。いづれも武具を揃え、ことも夥(おびたた)しい合戦(かっせん)になって、ネズミは伏草(ふしくさ)をし、カイルを悩ませども、カイルは少しも臆せいで、いかにもうち現れ咽笛(のどぶえ)を怒らかいて、大音(だいおん)を上げて、喚(おめ)き叫きょうで戦うによって、その戦いと叫びの音はことも業山(ぎょうさん)にあったところで、これを片脇(かたわき)からトビが見て、「よい幸いかな」と思うて/両方(りょうぼう)ともに取って食ろうた。 ・類話などについて トルストイ寓話 1.13 ネズミとカエル やまむら ゆき 訳 新読書社ネズミが、カエルのところに、おきゃくにやってきました。カエルはネズミを川岸で、でむかえ、水の下にある、自分のやしきにまねきました。ネズミは、水の中にもぐりましたが、そのとき、水をがぶりとのみこんでしまい、いのちからがら、はいだしました。 ネズミは、いいました。 「もうぜったい、よそのうちになんか、行くもんか!」 Perry384 Chambry244 Caxton1.3 エソポ伝0.25 伊曽保2.9伝 Charles40 La Fontaine4.11 J.index196 TMI.J681.1 (Life of Aesop) トルストイ寓話 1.14 カエルとネズミとオオタカカエルとネズミが、口げんかをはじめました。ふたりは、小さな丘に出てきて、なぐりあいをはじめました。オオタカが、自分に気づかずけんかをしているふたりを見つけて、さっとまいおり、ふたりともつかまえてしまいました。L'Eestrange 4 Francis Barlow p71 Ernest Griset p118 新訳伊蘇普物語 上田万年第五十三 鳶(とび)と蛙と鼠蛙と鼠との大戦争が始まつて、容易に勝負が決(つき)ませんでした、そこで狡猾な鼠が、叢に伏兵を置き、敵の来るのを待受けて、不意撃(ふいうち)を喰わせ、散々に蛙を破りました。 其後も度々それを行(や)られるのですから、力もあり、跳ぶことも上手な蛙が、寧(いつ)そ一騎撃をしようと、申込みますと、鼠も早速承知し、名々(めいめい)尖つた蘆を提げて戦場え向いましたが、其の様子を、空から鳶が見て居て、不意に其場え舞い下(くだ)り、釣状(かぎなり)の爪で二箇(ふたり)とも引(ひつ)さらつて行(い)きました。 訓言 国に徒党あるわ禍の原(もと)なり。 解説 古代希臘共和国の、幾箇の国にも分裂し、互に党を作つて睨み合つて居た有様が、丁度此の話のようです。兄弟牆(けいていかき)に鬩(せめ)ぐのわ、兎角外敵に乗ぜられる基です。又此の教を一般に適用すれば、何処の国にも事を好む輩(ともがら)わ絶えぬもので、動(やや)もすれば秩序を紊(みだ)すのですが、其結果わ大抵何物をも建設せず、却つて破壊するばかりです。 参照リンク 「鼠と蛙」と「蛙と鼠の合戦」 |
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