0.04 (エソポが兵糧を運ぶこと) 412.14--413.08
ある時エソポが主人、旅をせらるゝに及う
で、下人どもに、荷物を果う
せらるゝところに、エソポ、荷奉行に
言うは、「某はまだ、左
様のことに馴れまらせぬほどに、小軽い荷を下されい」と言うたところで、奉行の言うは、「いやそれに及ばぬ、そちは、ただ来て
も大事もないぞ」と言うた。されどもエソポは「それはさることでござれども、人並み
になんぞ持ちまらせいでは」と言うたが、そこに兵糧を入れ
た大きな荷があったを、エソポこれを持とうと言えば、「いやこれは余り重い荷ぞ」と言えども、しきりに請い
受けて持った。それをなぜにと/いうに、エソポが分別に
は「これは当時 重くとも、やがて軽うなるものぢゃ」と思うて、その分に
した。あんの如く、一夜には軽うなり、一
朝にはまた減り、そうそうする程に、後には何をも持たいで、手うち振って、踊っ
つ跳ねつして喜うで道を歩いた。それによって、主人をはじめて朋輩も、エソポが分別の
ところを、皆誉め
たと申す。
ESOPO p412
p413
(伊曽保1.02荷物を運ぶ事)
・類話などについて
Ernest Griset p152 イソップと仲間の奴隷たち
あるとき、イソップの主人の商人が、旅に出ることとなった。そこで主人は奴隷たちに、「滞りなく旅じたくをするように」と命じた。荷物が奴隷たちに分担
された時、イソップは「一番軽い荷物を持ちたい」と言って、パンの篭を選んだ。これを見て他の奴隷たちは笑った。と言うのも、パンの篭が一番大きくて、一
番重い荷物だったからだ。
昼食となり、荷物を苦労して運んできたイソップは、皆にパンを均等に分けるようにと言われた。 イソップがパンを分けると、荷物は半分になった。そし
て、夕食の時、イソップは残りを分け与えた。こうして旅の残りは、イソップは空の篭だけを運べばよかった。他の奴隷たちは、自分たちの荷物が、歩くごと
に、だんだん重くなって行くように思われて、イソップの知恵を賞賛せずにはいられなかった。
Type774 キリストとペトロの笑い話
「石をパンに」 Calvino
主は、共にに旅する使徒たちに、それぞれ、石を運ぶようにと言いつける。ペテロは、一番小さな石を選ぶ。その後、主はそ
の石をパンに変える。それで、ペテロは、ほんの小さなパン切れしか食べられない。
彼らは再び旅に出る。そして主は、同じ命令を繰り返す。今度はペテロは一番大きな石を拾う。しかし、彼らはすぐに町へと着き、そこにはパンが豊富にあ
る。それでペテロは、無駄になった重い石を投げ捨てる。
『ぴょこたんのなぞなぞ1.2年生』 成美堂出版
いきは いっぱい つまってても かえりは からっぽ。
おひるに たべる にもつは なーに。
答え: おべんとう
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